企業デフォルトよりも金利-米銀人事が示す懸念対象の変化

今人気なのは金利の方向に賭けるこ とだ。そして人気がないのは企業のデフォルト(債務不履行)への賭け だ。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)でクレジット・デリバティブ指 数の米トレーディンググループを率いていたカビ・グプタ氏が役割を変 えたのもこんなトレンドから説明できる。事情に詳しい関係者2人によ れば、グプタ氏は3月に米国の金利スワップトレーディングを率いるポ ジションに異動したという。

米連邦準備制度理事会(FRB)が前例のない金融刺激策を縮小す る中で、金利が上昇するか低下するかに賭ける金利デリバティブの人気 が一段と高まっている。CMEグループの今月23日付リポートによれ ば、店頭金利スワップの想定元本は2009年末以来30%増加し、昨年12月 時点で584兆4000億ドルに達した。

その一方で、相対取引で行われるクレジット・デフォルト・スワッ プ(CDS)は想定元本ベースで21兆ドルと、07年12月のピーク時の58 兆2000億ドルを64%下回る水準。企業は数年にわたり低金利で資金調達 できる環境にあることから、債券の買い手は企業の経営破綻をあまり懸 念しなくなっており、デフォルト率は過去の平均の約半分にとどまって いる。

ブローカー・ディーラーの側でも、CDS売買の意欲は低下してい る。金融機関は新たな規制に対応し、高リスク証券の保有圧縮やデリバ ティブ取引の大部分をスワップ執行ファシリティー(SEF)に移すこ とを求められており、ビジネスの採算性が低下している。

CMEグループは、店頭デリバティブの中では「クレジットデリバ ティブ市場が最も急ピッチに後退し続けている」とリポートで指摘し た。

一方で金利動向を見ると、長期債利回りはアナリストや投資家の予 想に反する動きを続けている。FRBの債券購入縮小に伴い、指標の 米10年国債利回りは上昇するとウォール街のストラテジストの大半は予 想しているものの、ブルームバーグ・ボンド・トレーダーの価格データ によれば、実際には昨年末の3.03%から2.41%に低下している。

金利の一段の低下を受けて、誰もが企業のデフォルトではなく金利 の方向を懸念するのは不思議ではない。

原題:BofA Credit Trader’s Shift to Rates Signals Where Anxieties Lie(抜粋)

--取材協力:Matthew Leising.

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