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白井日銀委員:16年10月以降のデータ確認必要-量的・質的緩和の出口

日本銀行の白井さゆり審議委員は29 日午後、那覇市内で記者会見し、物価2%が安定的に持続していると判 断するためには、2回目の消費税引き上げが物価に与える影響がはく落 する2016年10月以降の経済・物価動向を見極める必要があると述べ、量 的・質的金融緩和を同月以降も継続する可能性を示唆した。

白井委員は「本当に私たちが2%を安定的に持続していると判断す るには、消費税の引き上げが終わった後の影響を見る必要がある」と指 摘。2回目の消費税率引き上げが物価に与える影響がはく落する「16 年10月以降のデータをしっかり確認したい」と語った。

日銀は「2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持 続するために必要な時点まで、量的・質的金融緩和を継続する」として いる。同政策の継続期間を消費税率引き上げと関連付ける発言を行った のは日銀政策委員会メンバーでは初めて。

白井委員は講演で、量的・質的金融緩和の継続期間について「2% の達成時期と、その後2%を安定的に持続する成長経路へと移行してい く時期については「不確実性がある」と指摘。「特に、2%が安定的に 持続すると判断するには、2回目の消費税率引き上げ後の動向を確認す る必要がある」と述べた。

適切な時期にマネタリーベース残高見通し

会見では、量的・質的金融緩和を15年以降も続けるのであれば、な ぜ15年以降のマネタリーベースの残高見通しを示さないのか、という質 問が出た。白井委員は「私の個人的な考えとしては、適切な時期に明確 にすることになると思っている」と述べた。

日銀は物価の中心的な見通しとして16年度までの「見通し期間の中 盤ごろに2%程度に達する可能性が高い」としているが、白井委員は講 演で、「見通し期間の終盤にかけて2%に達している可能性が高い」と 述べた。会見では、より具体的に「16年度内に2%に達している可能性 が高い」との見方を示した。

黒田東彦総裁は先月30日の会見で、「何らかのリスク要因によって 見通しに変化が生じ、2%の物価安定の目標を実現するために必要にな れば、ちゅうちょなく調整を行う」と述べている。会見では、白井委員 の見通しは日銀の中心的な見通しからは大きく外れているにもかかわら ず、なぜ追加緩和を主張しないのかという質問も出た。

何が何でも2年ではない

白井委員は「われわれは2%の達成を目指す時、ほかのインフレー ション・ターゲッティングを採用している国と同じで、フレキシブル・ インフレーション・ターゲッティングを採用している。何が何でも2年 で2%を達成するというものではない」と指摘。

その上で「どんなインフレーション・ターゲティングを採用してい る国でも同じだが、無理なく経済成長の持続性も考えながら、最終的に 物価安定目標を達成するというのがフレキシブル・インフレーション・ ターゲティングだ」と語った。

追加緩和については、物価が自身の見通し通りに推移する限り、 「今決めていることを粛々とやっていく」と述べる一方で、そうした見 通しが外れた場合は、「もし追加緩和をすることで、何らかのプラスに なるのであれば否定しない」と語った。

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