コンテンツにスキップする

佐藤ゆかり議員:欧米は女性就労が当たり前、配偶者控除見直しも

「欧米は女性が働くことは当たり 前」--。佐藤ゆかり参議院議員(自民党政務調査会内閣部会長)は、 女性の就労意欲を妨げる税制などの見直しを通じて、成長戦略を推進 し、デフレを克服すべきだと説く。

佐藤氏(52歳)はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、 男女雇用機会均等法で「共働き世帯が急増しているため、女性の就労を 基本にして税、年金、社会保障などの制度の見直しが必要」と述べた。 世帯単位での所得課税のほか、子育て支援や保育園の待機児童対策など 環境整備なども課題だと言う。

1961年に創設された配偶者控除制度では、専業主婦のパートタイム の給与収入が年間103万円以下の場合、夫の所得税から38万円の控除が 受けられる。女性の就労を抑制して共働きに不利な税制との意見が出る 中、安倍晋三首相は所得税配偶者控除の見直しを指示している。

佐藤氏は、所得税の配偶者控除を見直す案について、「女性の社会 での活躍支援策としてこの問題に取り組む時期。女性の就労を抑制する 壁があるので、税の歪み構造を改正し、自由に労働できるような制度に すべきだ」と語った。インタビューは21日に行った。

アベノミクスによる積極的な金融緩和策や財政出動を背景に、昨年 の国内株価は上昇し、消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI) は2008年以来の高水準に達した。円相場は昨年約18%下落し、トヨタ、 パナソニックなど大手輸出企業の収益を押し上げた。

フロントランナー

「日本の常識は世界の非常識。世界の常識は日本の非常識」--。 佐藤氏は「欧米に長く住んだので、女性も労働するのが当たり前の世界 にいた。世界の常識を日本の常識にするために活動してきた」と語り、 フロントランナーとして多くの壁を乗り越えながら道を切り開いてきた としている。

少子高齢化が進み、労働力人口が減少する中、女性は日本に残され た数少ない有望な未開拓資源の一つ。女性就業率(25-54歳)で見る と、経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中で22位にとどまる。

佐藤氏は女性の活用が重要とし、「成長戦略を推進し、15年に及ぶ デフレスパイラルを克服すべき」と述べた。モルガン・スタンレー MUFG証券は27日付のリポートで、安倍首相の経済再生に向けた取り 組みにとって、労働力の不足が「アキレス腱」になると分析した。

政府は6月に成長戦略の改定版をまとめる方針。安倍首相は女性の 活躍の推進に意欲を示している。内閣府男女共同参画局が昨年12月に発 表した文書によると、同年11月現在で衆議院議員総数480人のうち、女 性議員は39人で8.1%、参議院議員総数242人のうち、女性議員は39人 で16.1%にとどまる。列国議会同盟(IPU)が策定した各国の女性議 員の割合比較では、日本は129位と、中国の61位、サウジアラビアの75 位を大きく下回っている。

法人減税

法人税率引き下げについて、佐藤氏は「民主党政権時代に歴史的な 円高により、国内産業の空洞化が進んだ。法人税を減税して、国内産業 を支援することは喫緊の課題」と語り、空洞化によって失われた税収を 取り戻し、対日直接投資を拡大させる必要があると説明した。

財源に関しては、「課税対象の拡大を併せて提言している。制度設 計を打ち立てずに大胆な減税が進むとバランスを欠くので、課税対象拡 大の議論も急速に進めるべき。中小企業の中でも、課税回避のために赤 字を維持する企業もあり、公平な制度にするにはどうしたら良いか議論 が始まったばかり」と説明。インターネット取引で海外企業と国内企業 の消費税の不公平是正、海外展開する国際企業への徴税方法なども検討 課題に挙げた。

マドンナ

佐藤氏は2005年、当時の小泉純一郎首相と対立した郵政関連法案反 対候補者への「刺客」として、野田聖子自民党総務会長の地元の岐阜1 区に出馬し、マドンナ対決として注目を集めた。自民党はメディア戦略 が功を奏し、43人の女性議員が当選するなど圧勝した。

政界入りする前、クレディ・スイス・グループでチーフエコノミス トを務めていた佐藤氏は、景気の見通しについて、「4-6月期に消費 増税の影響で一時的に消費が落ち込むものの、夏以降に回復する」と予 想。夏場に異常気象にならなければ、「7-9月期の実質GDPは、前 期比で微増ぐらいに持ち直す」との見方を示した。

政府は4月に消費税率を5%から8%に引き上げた。15年10月から は10%へ引き上げる計画。

日銀の金融政策に対しては、「4-6月期の一時的な落ち込みから 回復しなければ、日銀がそれなりの政策を打って下支えすることを期待 している」と説明。一方で、「7-9月期に小幅プラス成長へと自律的 な回復に戻している限り、金融政策上は強い要望は出ない。2回目の消 費増税に向けて、可能な限り金融政策は温存する方が良いと思う」とも 語った。

佐藤氏は1961年生まれ。86年にコロンビア大学卒業。87年にジュネ ーブ大学大学院、88年にコロンビア大学大学院をそれぞれ卒業。98年ニ ューヨーク大学大学院で経済学博士号を取得。日興シティグループ証券 (現シティグループ証券)のエコノミストなどを経て、04年にクレデ ィ・スイス証に入社。05年の衆議院選挙で初当選した。

--取材協力:山村敬一.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE