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ドコモ:海外M&A「諦めない」、アジア太平洋で1兆円投資も

国内携帯通信最大手のNTTドコモ は、同業他社からの攻勢の中、海外に収益源を求めるためアジア太平洋 地域の通信事業者に対する合併・買収(M&A)を検討している。資金 調達力を武器に1兆円の投資も視野に入れる。

坪内和人副社長が28日、ブルームバーグ・ニュースのインタビュー で明らかにした。ドコモの携帯利用者の海外での利便性を高めるため 「日本からよく行く」アジア太平洋地域での出資を模索しているとい う。規模は、利益率や成長性次第で「金額的なキャップは定めてない」 として「規模が1兆円でもリターンがあれば」投資すると述べた。

ドコモは4月、インドの携帯電話会社、タタ・テレサービシズ (TTSL)の保有株式26.5%を売却し、インドから撤退すると発表し たばかり。2001年から翌年にかけても米携帯大手AT&Tワイヤレス (当時)に計102億ドル(当時約1兆2000億円)を投じたものの9000億 円強を損失処理、撤退した経験がある。

坪内氏は「出資を諦めない」と述べ、可能であれば株式の過半数を 取得する考えを示した。一方でミャンマーなど法制度上、外資の過半数 出資が難しい市場もあると述べた。

同氏は「資金調達能力はわれわれはある」という。ドコモの信用格 付けは、ムーディーズ・インベスターズ・サービスで投資適格の上から 3番目にあたる「Aa2」、スタンダード&プアーズでも同3番目の 「AA」で、ともに日本国債の格付けよりも1段階ずつ高い。

ソフトバンク

ライバルのソフトバンクは昨年、米スプリントの株式約80%を取得 した。2000年に株式を取得した中国の電子商取引運営最大手アリババ・ グループ・ホールディングは新規株式公開(IPO)を計画しており、 ソフトバンクの保有株式の現在の価値は600億ドル(約6兆円)以上と 見積もられている。

ドコモは前期、売上高、営業利益、純利益でソフトバンクに抜かれ た。ソフトバンクの孫正義社長は7日の会見で「1回抜いたら抜き返さ れない。はるか遠くまで行って見せるという思い」だと話していた。

坪内氏はこの発言に対し「抜いた、抜き返したではない。われわれ は通信事業者。通信事業というのは継続性や安定性が、まず社会的に求 められる」と述べ、一時の業績の比較にとらわれない考えを示した。

同氏は競争をマラソンに例え、「われわれとしてはやるべきことを 自分のペースでやっていって、たぶんゴールはわれわれの方が先に立 つ、と考えるのが一番いい」と述べた。

中国、韓国

坪内氏は出資するアジア太平洋の市場について「成長性のある」場 所と述べ、詳細についての言及を避けた。日本旅行業協会がまとめた統 計によると、海外旅行先の上位は中国、韓国、米国本土、香港、ハワ イ、台湾、タイなど。ドコモのウェブサイトによると、韓国の通信サー ビス会社KTに約5.9%、フィリピンの同PLDTに約8.6%のほか、香 港、台湾、グアムなどで出資している。

出資先となる通信事業者は、その国の市場で「有力なキャリア」に なるという。理由として、これまでの出資を通じて「ナンバーワン、ナ ンバーツーの体力勝負にはかなわない」との教訓を得たためという。ソ フトバンク社長の「孫さんは苦労されると思います」と述べた。孫氏が 率いるソフトバンクが買収したスプリントは米国3位。

ドコモは28日、アップルのタブレット端末「iPad(アイパッ ド)」を発売すると発表した。これでスマートフォン「iPhone (アイフォーン)」に続き、アイパッドもソフトバンク、KDDIと並 び3社で提供することになる。

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