ドルは101円後半、米金利低下が重し-ユーロ3カ月ぶり安値圏

東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=101円台後半で推移。米長期金利の低下を背景に、ドルの 上値は限定的となっている。

午後3時16分現在のドル・円相場は101円91銭付近。午前に付け た102円03銭を上値に一時101円87銭まで水準を切り下げた。前日の海外 市場では一時102円14銭と、14日以来の高値を付けていた。主要6通貨 に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は海外で 一時80.470と、4月4日以来の水準まで上昇したが、東京市場では伸び 悩んだ。

外為どっとコム総合研究所の石川久美子研究員は、米国の利上げ時 期に関する市場の織り込みは2015年後半で落ち着いており、金融当局者 の発言からも、期待が前倒しされるような新しい材料は出てこないと説 明。「米国の長期金利が低い限りは、ドル・円の頭はどうしても重くな らざるを得ない」としている。

前日の米国債市場では、2年債入札(発行額310億ドル)で年金基 金や保険会社の落札全体に占める割合が年初来で最高となった。利上げ ペースが従来考えられていたよりも緩やかになるとの見方が背景にあ る。米国の10年債利回りはこの日のアジア時間の時間外取引で一 時2.50%付近と、5営業日ぶりの水準まで低下している。米アトランタ 連銀のロックハート総裁は27日の講演で、政策当局者が利上げに辛抱強 くなることが可能で、最初の利上げが2015年後半になる可能性が強いと 述べた。

日米株は堅調

27日に米国で発表された4月の製造業耐久財受注額は前月比 で0.8%の増加と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値 の0.7%減に反して、3カ月連続でプラスを維持。同日の米株式相場は S&P500種株価指数が最高値を更新した。

日本銀行の黒田東彦総裁は28日、日銀本店で開かれた国際コンファ ランスであいさつし、経済全体の安定には金融の安定化も重要だとし、 金融緩和は政策金利がゼロ近傍の状況下でも可能と述べた。24日付の米 紙ウォールストリート・ジャーナルによると、同総裁はインタビュー で、経済成長力強化に向け公約した改革の迅速な実施を安倍晋三首相に 求めた。また、円が上昇する理由はほぼ見当たらないと語ったという。

三菱東京UFJ銀行の野本尚宏調査役(ニューヨーク在勤)は、政 府が6月末にかけて成長戦略を出す姿勢を示しており、黒田総裁も追い 打ちをかけるように期待していると述べていると言い、「日経平均株価 の上げにつられてドル・円は少し上がっている」としている。この日の 東京株式相場は日経平均が5営業日続伸して引けた。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3613ドル と、2月13日以来の水準までユーロ安が進行。東京市場では1.36ドル台 前半で取引されている。ユーロ・円相場は1ユーロ=139円前後。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は27日、ポルトガルのシント ラで開催のECBフォーラムで、低インフレ長期化のリスクを認識して いると述べた。ECBは来週6月5日に金融政策決定会合を開く。

外為どっとコム総研の石川氏は、ECB会合ではドラギ総裁の発言 が注目だとし、「まだ緩和がありそうだと思えればユーロを継続して売 れる」とみる。一方で、緩和策を打ち出したあと、「当面はこれで様子 をみるというスタンスを出してしまったら、これまで売っていた分のユ ーロをいったん買い戻す動きも出てくる可能性は十分にある」と言う。

ドイツのショイブレ財務相は27日、「ECBがあまりにも多くの解 決すべき問題を抱えている現在、その独立性とその責務の限界はあって 当然のものだ」とベルリンで発言。「金融政策にとって異例の状況だ。 異例であり続けるべきであり、近く終了するのが望ましい」と述べた。

--取材協力:大塚美佳.

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