ソニーやパナソニック、タイ渡航自粛を通達-クーデターで

ソニーやパナソニックなどの企業は 従業員に対し、タイへの渡航自粛を通達している。タイ政治の混乱で企 業活動が損なわれつつあることが鮮明になっている。

欧州のホテル運営会社、仏アコーはタイの首都での混乱を受け、今 年のバンコクでのホテル事業が約3割落ち込んだ。アコーのアジア太平 洋部門のマイケル・アイゼンバーグ会長が22日にシドニーでのインタビ ューで明らかにした。広報担当者によると、ソニーとパナソニック、日 立製作所もタイに関して従業員に注意を呼び掛けている。

約3年前にタイで半世紀ぶりの大洪水という天災に見舞われた自動 車や家電のメーカーはここにきて政治的混乱への対応を余儀なくされて いる。タイ経済は7カ月にわたる政情不安で今年1-3月(第1四半 期)に0.6%縮小。タイ軍は先週、1932年以降で12回目となるクーデタ ーで全権を掌握した。

調査会社IHSオートモーティブのバンコク在勤アナリスト、ジャ クリット・レルクソンブーンシリ氏は「一部企業はタイ国内の販売減少 を理由に投資を抑えるだろう」と述べ、「来年までに予想される次の選 挙までは、回復ペースは鈍いかもしれない」と語った。

タイ軍は22日のクーデター後、午後10時から午前5時までの外出禁 止令を発令。クーデターを主導したプラユット陸軍司令官は26日、国王 の勅令により「国家平和秩序評議会(NCPO)」の議長として正式に 承認された後、夜間外出禁止令を継続する方針を表明した。昨年11月以 降の騒乱で数十人の死者が出たためバンコク訪問に慎重になっていた観 光客の足がさらに遠のくとみられる。

工場建設延期

政治的混乱の長期化を受け、ホンダはタイの新工場建設を先送りす る方針。アユタヤ工場での稼働率は6割程度に低下していると広報担当 の加地耕祐氏は述べた。

タイは東南アジア最大の自動車製造のハブで、インドネシアをしの ぐ規模を持つだけに、特に自動車メーカーに痛手となる可能性がある。

パナソニック広報担当の刑部智恵子氏によると、同社は夜勤シフト のあるタイ工場では外出禁止時間帯に社員の出勤時間が重ならないよう 調整して対応している。パナソニックは同国に製造を手掛ける13社を含 め27の拠点を持つ。

日産自動車の広報担当の増田優里子氏は電話取材に対し、現地では クーデター前から夜間の生産を行っておらず、今も1直体制の稼働が続 いていると説明した。

トヨタ自動車は軍の承認を受けて夜間シフトの操業を継続してい る。

ソニーの広報担当ジョージ・ボイド氏は電話取材に対し、同社が渡 航について従業員に注意喚起していると述べ、カメラやレンズを生産す るチョンブリ工場に影響は出ていないと語った。

原題:Sony Joins Panasonic Shunning Trips to Thailand in Coup Fallout(抜粋)

--取材協力:Aaron Clark、Marco Lui、Chris Cooper、松田潔 社、David Fickling、Siddharth Philip、Alexandra Ho、堀江政 嗣、Kyunghee Park、Supunnabul Suwannakij、Tony Jordan.

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