円が反発、株失速で買い戻される-リスク選好で一時は全面安

東京外国為替市場では円が終盤にか けて反発した。日本株が引けにかけて急速に伸び悩んだことで円に買い 圧力がかかった。日中は世界的な株高の流れを背景に、リスク選好に伴 う円売りが優勢だった。

ブルームバーグ・データによると、円は午後3時56分現在、主要16 通貨中10通貨に対して前日終値比を上回っている。一時は全面安とな り、対ユーロで1ユーロ=139円37銭と16日以来の安値を付ける場面が あった。株価が急速に伸び悩んだ際には、138円台に突入する場面も見 られた。同時刻現在のユーロ・円相場は139円08銭前後。

円は対ドルでも一時1ドル=101円99銭まで弱含んだが、前日に付 けた15日以来の安値(102円05銭)には届かず、午後には101円82銭まで 値を切り上げた。

IG証券の石川順一マーケットアナリストは、米国を筆頭に新興国 も含めて「グローバル株式市場の堅調さが円相場に波及することによっ て円売り圧力を強める」と言い、「アジア時間も株高なら円売り優勢で 進むだろう」と予想。ただ、どこまで円安が進むかは、祝日明けの米株 式相場の動向を見なければ分からないと話していた。

対円でのユーロ買いが波及する形で、ユーロ・ドル相場は一時1ユ ーロ=1.3669ドルと3営業日ぶりユーロ高値を付けたが、ユーロ買いは 続かず、その後1.36ドル台半ばでもみ合った。

27日の東京株式相場は上昇。日経平均株価は一時前日比141円高ま で上げたものの、結局は34円高の1万4636円52銭で取引を終えた。

株高で円売り先行

前日の欧州株式相場は続伸し、6年4カ月ぶり高値を記録。欧州議 会選挙でレンツィ首相の与党民主党の優位が確実になったことを好感し 、イタリアの銀行株が買われた。ロシア株式相場は3カ月ぶり高値。ウ クライナの大統領選挙で資産家のペトロ・ポロシェンコ氏が勝利し、ロ シアとウクライナの間の緊張が和らぐとの楽観的な見方が強まった。

セント・ジョージ銀行のエコノミスト、ジャヌ・チャン氏(シドニ ー在勤)は、欧州議会選挙は市場が予想したよりは良い結果となり、ウ クライナでも大統領選挙によって政治的不透明感が少し和らいだと指摘 。「全体的にセンチメントの改善につながった」とした上で、「世界的 なリスク志向や世界経済の改善が続ければ、リスクは円が弱くなるとい うことだ」と語っていた。

米国ではこの日、3月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数、4 月の耐久財受注、5月の消費者信頼感指数などが発表される。祝日前の 23日の米株式市場ではS&P500種株価指数が初めて終値ベースで1900 を超え、最高値を更新していた。

一方、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は26日、ポルトガルの シントラで開催されたECBフォーラムで、ユーロ圏に低インフレが根 付く兆候があれば、6月に措置を講じる用意があるとあらためて示唆し た。総裁はこの日も同フォーラムで行われるディスカッションに参加す る予定。

IG証の石川氏は、金融緩和は欧州株にとってプラスだが、追加緩 和観測でユーロ・ドルが200日移動平均線線を下抜ければ、株高による 円売りをユーロ売りが相殺し、「ユーロ・円は上値が重くなる」可能性 もあると指摘。ドル・円も今月13日のドル高値や89日移動平均線、一目 均衡表の雲の下限が位置する102円30-35銭レベルを突破できるかが注 目とした上で、「それ以上円安が進むかどうかは、米経済指標とそれを 受けた欧米株式相場の動向次第」と語った。

--取材協力:石川茉莉子.

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