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ECB総裁:低インフレの負の連鎖を警戒-問題はタイミング

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁は26日、ユーロ圏に低インフレが根付く兆候があればECBは6月に 措置を講じる用意があるとあらためて示唆した。

同総裁はポルトガルのシントラで開催されたECBフォーラムで、 「私の見解では、現時点で特に警戒しなければならないのは、低インフ レがインフレ期待低下と与信縮小をもたらすという負の連鎖に陥るリス クだ。特に、圧力下にある国々でリスクが大きい」と述べた。「現在の 最重要問題はタイミングだ」との考えも示した。

企業と家計への融資を促すような流動性措置をECBが重点的に検 討していることを総裁は示唆した。当局者らは6月5日の政策委員会に 向けて、利下げや流動性供給など複数の措置を組み合わせた政策パッケ ージをまとめようとしていることを明らかにするとともに、より強力な 手段として量的緩和(QE)策の可能性にも言及している。

IHSグローバル・インサイト(ロンドン)のエコノミスト、ハワ ード・アーチャー氏は、ドラギ総裁の発言は「ECBが6月5日の政策 委で景気刺激措置のパッケージを打ち出す可能性がかなり高いことをあ らためて示したようだ」と述べた。マイナスの中銀預金金利や中小企業 向け融資促進に向けた流動性措置が含まれる公算だと語った。

ドラギ総裁は今月8日、必要ならば6月に非伝統的措置を導入する ことに「やぶさかでない」と述べていた。

この日のフォーラムでは検討されている新たな措置に言及はしなか ったものの、景気拡大に伴う信用需要の高まりに対応するため銀行が資 金を必要とする場合はECBによる流動性供給が選択肢に含まれると述 べた。信用需要と銀行のバランスシート修復、資本市場の展開の間にミ スマッチがあると指摘し、「リファイナンスオペまたは資産担保証券 (ABS)購入を通じた資金供給は、一時的な与信の制約による回復へ の逆風を弱めるのに寄与し得る」と述べた。

コンスタンシオ副総裁はECBフォーラムでは現在の金融政策は議 論せず、学問的な研究が議題になると述べていた。ECBフォーラム は、米ワイオミング州ジャクソンホールで毎年行われる米連邦準備制度 のシンポジウムに相当するものとして開催。ノーベル経済学賞受賞者の ポール・クルーグマン教授らが出席している。

ドラギ総裁はこの日の講演で、低インフレの長期化は債務負担の予 想以上の増大と銀行の与信基準引き締めにつながる恐れがあると指摘。 「これは致命的な負の連鎖の温床となりインフレ期待にも影響する」と し、「われわれはインフレが低過ぎる状態が過度に長期化することを容 認する考えはない」と強調した。

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