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欧州議会選:欧州人民民主党が勝利-英仏ギリシャで反EU躍進

今月22-25日に実施された欧州議会 選挙の暫定集計によれば、反欧州連合(EU)を掲げる政党がフランス とギリシャ、英国で躍進した。欧州の団結を目的とする議会で分裂を志 向する政治家の発言力が強まることは、これらの3カ国首脳に打撃を与 え、EU全体のかじ取りも一段と難しくなりそうだ。

企業に敵対的で米国に疑念の目を向ける政治勢力が欧州大陸に浸透 しつつある。EUはソブリン債危機の後遺症に苦しむ経済を米国との自 由貿易協定(FTA)協議が刺激することを期待するが、反EU勢力に よって妨げられる恐れもある。英国のシンクタンク、オープン・ヨーロ ッパのブリュッセル事務所責任者ピーター・クレップ氏は、反EU票が 「各国の政党や政策に大きな影響を及ぼす」と述べ、「ユーロ危機への 対応を中心にEUおける権限集中が一段と難しくなる」と予想した。

今回の欧州議会選の勝者は、フランスで移民排斥を唱える国民戦線 (FN)のルペン党首や、ギリシャで反緊縮を訴える急進左派連合 (SYRIZA)のツィプラス党首、英国ではEU離脱を主張する英独 立党(UKIP)のファラージュ党首だ。EUが25日遅くに示した公式 予測によると、反EU政党の欧州全体の得票率は30%と、改選前の20% から支持を伸ばしたもようだ。

フランスでは国民戦線が得票率25%でリードしていることが、調査 会社イプソスやイフォップなどの開票予想で判明。ギリシャでの暫定集 計では、主要野党のSYRIZAの得票率が26.5%と、サマラス首相率 いる与党・新民主主義党(ND)の23.3%をしのぐ結果となっている。

英国でもUKIPの得票率が29%に達し、最大野党の労働党 (24%)、与党保守党(24%)、クレッグ副首相率いる自由民主党 (7%)をいずれも上回った。

ARDテレビの出口調査によると、反EUムードはドイツにも波及 しており、反ユーロを掲げる「ドイツのための選択肢」が6.5%の得票 率で初めて議席を確保する見込み。欧州債務危機の解決策を探る外交努 力で最も重要な役割を果たしたメルケル首相率いる与党キリスト教民 主・社会同盟(CDU・CSU)陣営は首位を維持したもののの、今回 の得票率は35.5%と、昨年の国政選挙の41.5%から低下した。

イタリアではレンツィ首相率いる与党民主党が、ベッペ・グリッロ 氏が主導する「五つ星運動」を得票率で上回り、優勢となっている。

EU全体の暫定集計では、ドイツのCDU・CSUなど中道右派勢 力で構成する「欧州人民民主党(EPP)」が751議席のうち212議席を 獲得し、「欧州社会・進歩連盟」(社会民主勢力)の185議席を上回っ た。EPPはEUの行政執行機関である欧州委員会の次期委員長にルク センブルクのユンケル前首相を推している。欧州議会は欧州委の次期委 員長の指名に影響力を持つ。

原題:EU Protest Forces Surge in Threat to Leaders From U.K. to Greece(抜粋)

--取材協力:Jonathan Stearns、Nikos Chrysoloras、Alessandra Migliaccio、Chiara Vasarri、Marcus Bensasson、Jeff Black、Robert Hutton、Thomas Penny、Eleni Chrepa、Gregory Viscusi.

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