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【今週の債券】長期金利0.5%台の下限探る、超長期にはオペ減額懸念

今週の債券市場で長期金利は0.5% 台の下限を探ると予想されている。利回り曲線上の割安感などから10年 ゾーンを中心に買いが入りやすいとの見方が背景。半面、超長期債は日 本銀行の買い入れオペ減額の観測で需給悪化懸念が出ている。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが23日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.565-0.63%となった。レンジの下限に達すると3月3日に付 けた年初来最低の0.57%を下回ることになる。前週末終値は0.59%。

前週の長期金利は22日、1週間ぶりに0.6%台に乗せた。しか し、23日には日銀が実施した長期国債買い入れオペで残存期間「10年 超」の減額がなかったことを受けて買い安心感が広がり、0.59%に低 下。前週末の米10年国債利回りはウクライナなどの地政学リスクの強ま りを背景に2.53%程度に低下しており、週明けの相場を支える見込み。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、米連邦準備制度理事会 (FRB)が描くような2015年央から利上げというシナリオを受け入れ るようにはならず、楽観的過ぎる時期見通しの後ずれを織り込みに行く 可能性があると指摘。「外債金利が現行水準でこう着するだけでも、投 資家は国債に資金を振り向けやすくなるだろう」と言う。

27日に40年利付国債(5月債)の利回り競争入札が行われる。前回 入札された40年物の6回債利回りは1.7%台半ばで取引されており、表 面利率(クーポン)は前回の1.9%から1.7-1.8%に引き下げられる見 込み。発行額は前回債と同額の4000億円程度。

日銀買いオペ注目

今回の40年債入札の翌28日にも「10年超」を対象にした日銀の国債 買いオペが実施される見込みで、その際に減額されるかが注目されてい る。日銀の発表によると、今月20日までに買い入れた国債の平均残存期 間は8年と、目安とされる7年程度を上回った。同期間が延びたことで 2月と3月に減額されて、2000億円だった「10年超」の購入額は、現 在1700億円となっている。

松沢氏は、「入札の翌日には超長期債対象の日銀オペが実施され、 通常は相場の支えになるはずだが、オペ減額の思惑がくすぶっているた め、むしろ入札の足を引っ張りそうだ」と指摘。ただ、「日銀は必ずし も単月で年限を6-8年のレンジ内にコントロールするわけではないの で、減額しない可能性も十分にある」としている。

29日には2年利付国債(6月発行)の入札が実施される。クーポン は0.1%に据え置かれる見込み。発行額は2兆7000億円程度。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は6月物、10年国債利回りは333回債。

◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長

先物6月物145円05銭-145円50銭

10年国債利回り=0.565%-0.605%

「10年債主導で金利が低下しそうだ。今は債券を売る理由が見当た らない。長期金利は年初来最低の0.57%を目指しそうだ。40年債入札は クーポンが1.8%に下がっても無難に消化するのではないか。日銀の10 年超の国債買いオペの減額もしばらく見送られると予想する。日銀の今 後のスタンスを見るうえで、4月の消費増税後の経済指標は消費者物価 よりも家計調査などの方が重要ではないか」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物6月物144円90銭-145円50銭

10年国債利回り=0.57%-0.62%

「長期金利は0.6%中心ながらも低下方向のバイアスが掛かりやす い。欧米の金利の低位安定が支え。米国では短中期の入札があっても長 期ゾーンは安定を維持しそうなほか、欧州では追加緩和期待が根強い。 国内経済は消費増税後の落ち込みが大きくないが、先行きはなお不透明 が根強いだけに、需給の良好さもあって買いが優勢となりやすい。6月 には国債大量償還も控えており、投資家から需要が見込まれる」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部

先物6月物144円80銭-145円50銭

10年国債利回り=0.57%-0.63%

「米国債の動向が引き続き焦点となる。すぐに米利上げはないイメ ージ。消費者物価指数(CPI)は、4月の東京都区部は消費税引き上 げの部分だけが上昇に反映されていた。全国コアCPIも予想の範囲内 で出てくるのではないか。40年債入札は発行額が少なく、無難な結果を 見込んでいる。2年債入札も日銀が短期国債を吸収しているので、短期 ゾーンとの見合いでニーズは強いだろう」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎 Editors: 崎浜秀磨, 山中 英典

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