タイのクーデターで流血の衝突も、タクシン派が組織力強化

タイの陸軍が2006年にタクシン政権 を追放した際には、タクシン派の基盤である農村部の支持者に抵抗を仕 掛ける組織力がなかったが、今回は前回よりも体制を整えている。

反タクシン派と戦うために08年に結集した「赤シャツ隊」はタイ北 部にネットワークを築いて国内に支持者を動員、11年の総選挙での過半 数確保に貢献した。同国での過去6カ月にわたる政情不安は22日、プラ ユット陸軍司令官による憲法停止と、過去80年間で12回目の軍事クーデ ターの発表という事態となり、赤シャツ隊指導者は軍に身柄を拘束され た。

チュラロンコン大学安全保障国際問題研究所のティティナン所長は 電話取材で「クーデターに対して強力な反発と抵抗が見込まれる」と述 べ、「今回は深刻で暴力的な対立や衝突になろう」と予想した。

過去5回の選挙でタクシン派を権力の座に押し上げた農村部を基盤 とする与党と、政権打倒のため軍や法廷を利用している野党の王党派の 対立は今回のクーデターで深まる。プラユット司令官は軍が「速やか に」平和を取り戻すことを目指すと説明したが、軍による権力掌握で同 国経済はさらに悪化する恐れがある。

英リーズ大学のダンカン・マッカーゴ教授(政治学)は「前回のク ーデターは全くの大惨事だった」と述べ、「06年当時よりも国の分裂は はるかに進んでいるだけに、今回のクーデターでより良い結果を想定す 理由はない」と語った。

原題:Thai Coup Risks Deadly Clashes as Thaksin Camp Better Organized(抜粋)

--取材協力:Daniel Ten Kate、Suttinee Yuvejwattana、Supunnabul Suwannakij.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE