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円が対ドルで1週間ぶり安値、株高受けリスク回避圧力緩和

東京外国為替市場では円が下落し、 対ドルで1週間ぶり安値を付けた。中国景気に対する懸念の後退や世界 的な株価の反発で、リスク回避姿勢が和らぎ、円に売り圧力がかかった 。

ブルームバーグ・データによると、円は主要16通貨全てに対して前 日終値から下落。対ドルでは1ドル=101円台前半から一時101円76銭と 15日以来の水準まで軟化した。午後3時35分現在は101円66銭前後。ユ ーロ・円相場も1ユーロ=139円13銭と2営業日ぶりの円安値を付け、 同時刻現在は138円96銭前後となっている。

英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスがこの 日発表した5月の中国製造業購買担当者指数(PMI)速報値は49.7と 、4月の48.1から上昇し、市場予想中央値(48.3)を上回った。

マネースクウェア・ジャパン市場調査室の山岸永幸シニアアナリス トは、同指数が分水嶺(れい)の50に近づいてきたということは「非常 にポジティブだ」と言い、「日経平均も大幅に上昇しており、中国に対 する景気懸念が若干和らいだということが言える」と指摘。「ダイレク トにプラスに働くのは資源国通貨や新興国通貨だが、いわゆるリスクオ フの低下という感じでドル・円などにも働く」と説明した。

中国の経済指標の改善を受け、豪ドルは上昇。対円では2営業日ぶ りに1豪ドル=94円台を回復した。

100円割れの不安後退

22日の東京株式相場は大幅反発。日経平均株価は午後の取引で一段 高となり、前日終値比の上昇幅が一時300円を超えた。

山岸氏は、ドル・円相場について、「きのうは日銀総裁の発言もあ り、やや下振れし過ぎた部分があるので、目先についてはリバウンドに 入る可能性は高い」とし、100円割れの不安感は後退したと指摘。半面 、米長期金利の低下が「依然として足を引っ張りそうだということがあ る」ほか、海外も含めた株価の上昇がどこまで続くのかという不透明感 も高いと話した。

前日の取引では日銀の黒田東彦総裁の会見を受け、追加緩和期待が 後退。一時は100円82銭と2月5日以来の水準までドル安・円高が進行 した。しかし、海外時間は米国株や米金利の上昇を背景にドルが徐々に 買い戻され、ドル・円は101円62銭まで値を戻していた。

ユーロ・ドル相場も海外時間に1ユーロ=1.3635ドルと2月13日以 来の水準までドル買いが進行。その後は1.36ドル台後半でのもみ合いと なったが、この日の東京市場では1.3688ドルから1.3662ドルまでドルが じり高に推移した。

株にらみ

この日は海外時間にユーロ圏の総合景気指数や米国の中古住宅販売 、新規失業保険申請件数などが発表される。

21日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC、4月29、30日 開催分)議事録では、政策当局者らが予想される政策金利の道筋につい てのガイダンスを改善する必要性や利上げ決定時に利用する可能性のあ る手段について議論したことが示された。また、当局者らは失業率押し 下げのため刺激策を続けても、インフレ率の大幅上昇を招くリスクはな いとの認識を示した。

三井住友信託銀行ニューヨークマーケットビジネスユニットマーケ ットメイクチーム長、海崎康宏氏(ニューヨーク在勤)は、議事録では 出口戦略についての議論の進展も特に見られず、「ノーイベント」だっ たと指摘。その上で、「今月いっぱいについてはポジション動向、特に 株の動向に結構左右されるようなイメージを持っている」と言い、ドル ・円についてはクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)や株につられた 動きが続くと予想した。

--取材協力:大塚美佳.

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