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日銀総裁:2%達成なら後はどうでもいいわけではない-成長力が重要

日本銀行の黒田東彦総裁は21日午 後、定例記者会見で物価が2%達成されれば後はどうでもいいというこ とではないと述べ、「成長力を高め、持続的成長を実現するための議論 を幅広く行っていくことが重要だ」と語った。

黒田総裁は「中央銀行として物価安定目標を立て、それを実現して いくことは最大の使命だ」と話した。「実質成長率がどのくらいかとい うことと直接的に何かリンクして、金融政策を緩和したり引き締めたり することは基本的にはない」と述べた。

一方で、「日銀法にも書いてある通り、日銀としては物価の安定を 通じて、国民経済の健全な発展に資することを使命としているので、物 価が2%達成されれば後はどうでもいいということではもちろんない」 と話した。「生産・所得・支出の好循環の下で日本経済がバランスよく 成長し、雇用・賃金などの増加を伴いながら物価が2%程度の上昇に達 する、あるいはそれを安定的に持続することが一番望ましい」と語っ た。

具体的には、「中長期的な成長力を高めていくという観点から、3 つのことが重要だ」と指摘。1)企業における前向きな投資を促すこと 2)女性や高齢者などの労働参加を高めることや高度な外国人材を活用 することを通じ、労働の供給力を高めていくこと3)規制や制度改革を 通じて、生産性自体を向上させていくこと-が「非常に重要だ」と述べ た。

株安、円高が進む理由はない

日経平均株価が一時、1万4000円台を割り込むなどさえない動きを していることについては「日本企業の収益は2013年度は非常に大きな増 加をみた。14年度もそこそこの増収になるとみられ、トレンドとしては 何か株高の方向が全く変わったと感じていない」との見方を示した。

ドル・円相場が1ドル=100円台に入るなど円高気味に推移してい ることについては「日本経済は緩やかな回復軌道に乗っているが、まだ 2%の物価安定目標に向けた道筋は半ばで、量的・質的金融緩和を引き 続き実行していく。他方、米国経済を中心にかなり順調な回復が見られ るところでは、金融政策も緩和の程度をだんだん縮めている」と指摘し た。

その上で「そういった内外の景気あるいは金融資本市場の動向を考 えると、何か為替が特に円高になっていかなければならないという理由 はあまりない」と語った。

長期金利が0.6%を割り込んだことに関しては「金利低下の要因は 1つはもちろん日銀が毎月大量の国債を購入し残高を着々と増やしてい ることがある」と指摘。「これ自体はおかしいことではない」と述べる とともに、「今の時点で何か国債市場が問題をはらんでいるとか、金利 が低いことがいかがかといったことは全く考えていない」と語った。

消費増税の影響は想定内

4月からの消費税率引き上げの影響については「自動車など駆け込 み需要が大きかった耐久財を中心に反動減がはっきり現れているよう だ」としながらも、「企業からは、反動減の大きさはおおむね想定の範 囲内で、消費の基調的な底堅さは維持されているとの声が多いようだ」 と述べた。

また、「百貨店やスーパーなどの小売業界からは、反動減の程度は 徐々に縮小してきているとの声が聞かれる。外食や旅行などのサービス は、増税の影響は限定的で、底堅い動きが続いているとの声が多いよう だ」と語った。

--取材協力:山村敬一.

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