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帝人:炭素繊維事業でM&Aに意欲、東南アジア狙い-下流事業に進出

炭素繊維の製造で世界第2位の帝人 は、同事業のすそ野を下流分野に拡大するため、東南アジアで企業の買 収や提携関係の構築を検討している。炭素繊維の製造だけでなく、半製 品や加工品の成形にまで事業を広げる考えだ。

帝人の吉野隆常務執行役員が19日、ブルームバーグ・ニュースのイ ンタビューで明らかにした。同氏は炭素繊維を使って中間材料に加工す る企業や、中間材料を最終的な部材に成形する企業に「非常に興味があ る」と述べ、「大量生産品を量産するパートナーを持ちたいといつも思 っている」との考えを明らかにした。

炭素繊維は通常の鉄に比べ強度が10倍、重さが4分の1。帝人によ ると、燃費向上を狙う飛行機の機体での採用などを通じ、炭素繊維の世 界市場は2020年までに年率15%以上の伸びが予想されている。炭素繊維 そのものの製造に比べ、最終製品では利益率は高くなるという。

これまで同社は米国や欧州域内の企業の買収を検討したことがある ものの、規模が大きいために交渉が難航した。そういった経験を踏ま え、現在は東南アジアの企業を対象に数十億円規模の買収を検討してい るという。

帝人は炭素繊維で東レに続く世界第2位のメーカーで、同社の製品 は超大型航空機エアバスA380の構造部材などにも使われている。東レ も昨年、米炭素繊維メーカーのゾルテックを5億8400万ドルで買収する と発表している。

帝人は米ゼネラル・モーターズ(GM)と自動車向けの炭素繊維の 共同開発を進めており、量産車向けに供給するための生産コスト削減を 目指している。自動車の構造部材として、鋼板に代えて炭素繊維を利用 することで大幅に軽量化でき、燃費の改善と二酸化炭素(CO2)の排 出削減につながる技術だ。

炭素繊維は車体の軽量化では効果が大きい半面、値段が高く、これ まではスポーツ車や高級車向けに限定されてきた。吉野氏は量産車向け の市場は「ボリュームのインパクトがとてつもなく大きい」と期待感を 示す。製品開発は順調に進んでおり「2020年頃までにはちゃんと事業化 したい」と話した。

--取材協力:岡田雄至.

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