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【クレジット市場】モルガンSがけん引、サムライ債市場活況

米モルガン・スタンレーなどをけん 引役に、サムライ債の起債高は先週、約4年ぶりの高水準となった。日 本の投資家が高利回りを求めて購入した。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスの格付けで投資適格の下 から2番目である「Baa2」のモルガン・スタンレーは16日に1500億 円相当を起債。ブルームバーグのデータによれば、固定利付きの4年債 の条件は円建てスワップレートに25ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上乗せとなった。その前日にはオランダのラボバンク・グル ープが1003億円を起債し、週間の起債高は2010年9月以来で初めて2500 億円を超えた。2500億円超の起債は金融危機後で2回目。

ノルデア銀行も19日にサムライ債の需要調査を開始。インドネシア とブラジル政府も発行を検討している。日本銀行の「異次元」緩和を受 けて日本の10年物国債利回りは世界で最も低いが、景気刺激は積極的な 投資を促すに至らず、国内企業による年初から先週末までの起債は前年 同期比18%減少している。

SMBC日興証券の伴豊チーフクレジットアナリストは電話取材に 対し、「日本の投資家が買える債券があまりない」と指摘。スワップレ ートに「25bp上乗せはそれほど投資妙味があると思わないが、ほかの 債券はもっと投資妙味がない」と語った。

モルガン・スタンレーのスタンダード・アンド・プアーズ(S& P)による格付けは「A-」と、投資適格の下から4番目。格付投資情 報センター(R&I)は「A」ともう1段階高い。

08年以降初めて

モルガン・スタンレーのサムライ債起債は、08年の金融危機のピー ク時に三菱UFJフィナンシャル・グループが90億ドル(約9100億円) を出資して以降初めて。米国での事実上のゼロ金利政策の維持で国内調 達コストが低くなったため、米国勢によるサムライ債発行は08年以降に 減ってきた。

00-07年は米国勢がサムライ債発行高の52%に相当する5兆8300億 円を起債。一方、08年から先週末までの期間では1兆8400億円と、全体 の15%にとどまった。フランス勢の昨年の発行高は米国勢を70%上回っ た。

みずほ証券の金子良介クレジットアナリストは「従来は米国の発行 体の規模が大きかったのが徐々に減って欧州にシフトしている流れ」を 指摘。ポートフォリオの一部を米国勢のサムライ債に投資しようとして いた投資家からの「潜在的なニーズがあった可能性はある」と解説し た。

13年まで3年連続でサムライ債発行高が最大だったラボバンクは15 日、4本立てのサムライ債の条件を決定。共同幹事を務めたバンク・オ ブ・アメリカ(BOA)メリルリンチによれば、5年債の利率はスワッ プレートに6bp上乗せの0.434%となった。

ラボバンクの日本での長期資金調達を担当する田中一秀氏(東京在 勤)は、「マーケティングプロセスの最初の方ではスプレッドのタイト さに投資家が抵抗を示した」ので、起債高が1000億円を超えるとは「考 えていなかった」と語った。

今週起債を目指すノルデア銀行は3年債についてスワップレートへ の2bp上乗せを提示している。ノルデアのS&Pの格付けはラボバン クと同じで上から4番目の「AA-」。SMBCの伴氏は、ダブルA格 であるノルデアの「スプレッドはタイト過ぎるような気もするが、現状 ではこのぐらいが妥当なのかなという気がする」と話した。

原題:Morgan Stanley Gives Samurais Best Week Since 2010: Japan Credit(抜粋)

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