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円が対ドルで2カ月ぶり高値、日本株安でリスク回避圧力

東京外国為替市場では、円が対ドル で約2カ月ぶりの高値へ上昇した。日本株の下落を受け、リスク回避の 連想から円買い圧力が強まった。

ドル・円相場は午前中は1ドル=101円台半ばで小幅な値動きが続 いていたが、午後に日本株の下げが鮮明となると、一時101円24銭まで 円買いが進行。3月17日に付けた円高値に並んだ。

あおぞら銀行市場商品部の諸我晃為替マーケットメイク課長は、 「日経平均株価が1万4000円を一瞬割れたし、それを見ながらの動き」 と説明。「101円30銭の直近安値のところにはストップ(損失を限定す るためのドル売り・円買い注文)も入っていたと思う」と話した。

ユーロ・円相場は1ユーロ=139円台前半から一時138円81銭と前週 末に付けた2月12日以来の円高値(138円78銭)付近まで円買いが進 行。一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.36ドル台後半から一 時1.3718ドルまでドル売りが進んだ。

諸我氏は、今後の展開について「海外金利に注目」だとし、「米債 もそうだが、ユーロや英国の利回りも下がっているので、その辺がド ル・円の重しになってきている」と指摘。「今週はFOMC(米連邦公 開市場委員会)議事録など中銀のスタンス確認の場も結構あるので、そ の辺を見ながら金利動向に反応しやすい展開だろう」と語った。

株安でリスク回避

19日の東京株式相場は続落。午前は前週末終値を挟んでもみ合って いたが、午後には下げ幅を拡大し、日経平均株価は一時、日中では約1 カ月ぶりに心理的節目の1万4000円を割り込む場面が見られた。

外為どっとコム総合研究所の石川久美子研究員は、ドル・円につい て、米長期金利が低下していることが圧迫要因にはなっているとした上 で、「機械受注も結構良かったが、それでも動けなかったので、あとは 株価にらみ」と話していた。

朝方発表された日本の3月の機械受注は前月比19.1%増となり、市 場予想(同5.8%増)を上回った。

米国では今週、4月の中古・新築住宅販売などが発表される。ま た、21日にはイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演のほ か、FOMCの議事録(4月29、30日開催分)が公表される。

米長期金利

先週は欧州中央銀行(ECB)の金融緩和拡大観測などもあり、世 界的に債券利回りが低下。米10年債利回りは15日に一時2.47%と10月30 日以来の低水準を付けた

上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉氏は、「ドル・円は米長 期金利主導の動きとなっており、21日のイエレン議長の講演待ちと思わ れる」が、週末にウクライナ大統領選挙を控えていることや、中国とベ トナムの緊張の高まりにより、「リスク回避からの米国債買いは継続す る」と予想。「米長期金利の利回りの上昇は抑えられて、ドル・円も上 昇は難しいだろう」と指摘した。

一方、20、21日には日本銀行の金融政策決定会合が開かれる。ま た、22日には中国の5月のHSBC製造業PMI、ユーロ圏でも5月の 総合景気指数が発表される。

中国国家統計局が18日発表した4月の新築住宅価格は、前月比で調 査対象となっている主要70都市中44都市で上昇した。値上がりした都市 は2012年10月の35都市以来最も少なかった。

山内氏は、同指標について「リスクを積極的に取っていく心理には なりにくい」と指摘。その上で、日経平均株価が1万4000円を割り込む 展開となれば、政府から日銀に対する追加緩和圧力などが連想されて、 「株価やドル・円の下支えにつながるのではないか」と話していた。

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