米AT&Tが衛星放送のディレクTV買収で合意-約4.9兆円

米携帯電話サービス2位のAT&T は米国最大の有料衛星放送事業者ディレクTVを485億ドル(約4 兆9200億円)で買収することで合意した。これにより米国内と中南米の 映像サービス契約者3800万人余りを獲得、規模を拡大するケーブルテレ ビ(CATV)運営事業者との競争で有利に戦うための態勢を整える。

両社の18日の発表資料によると、AT&TはディレクTV1株当た り95ドルを支払う。これはディレクTVの16日の終値に10%上乗せした 水準。内訳は現金28.50ドルと66.50ドル相当の株式。負債継承分を含め た買収額は671億ドルとなる。

今回の買収によりAT&Tは現在の米携帯・固定電話、高速インタ ーネットサービスに加え、衛星放送事業を獲得する。CATV運営事業 者最大手のコムキャストによる同業のタイム・ワーナー・ケーブル (TWC)買収計画など有料放送業界の再編が加速する中で、AT&T のランドール・スティーブンソン最高経営責任者(CEO)は今回の合 意を通じ事業拡大を狙っている。

同CEOは発表資料で、ディレクTVは衛星テレビで一流のブラン ドと急速に成長する中南米事業を有しており、当社にとって最良の選択 肢だと指摘した。

ブロードバンド強化

合意は両社の取締役会で承認済みで、当局の審査とディレクTVの 株主の承認を経て、1年以内の買収完了を予定している。AT&Tは規 制当局の承認を得やすくするため、メキシコの携帯電話サービス会社ア メリカ・モビルの保有株8%の売却を計画していることを明らかにし た。

米国ではインターネットで映像サービスを利用する視聴者が増え、 従来型の有料テレビの顧客層が縮小している。このため自前の電話・イ ンターネットサービスを持たないディレクTVは、提携先が必要となっ ていた。

発表資料によれば、アメリカ・モビル株の売却により、AT&Tの 利益は1株約5セント縮小する見通し。AT&Tは現時点で2014年の1 株利益の伸び率について、「1桁台半ば」との従来予想の下限と予想し ている。

両社によれば、買収完了から1年以内に1株利益とフリーキャッシ ュフローにプラス効果が表れ、年間ベースで16億ドル余りのコスト削減 につながる見通し。

ディレクTVの株価は今年に入り25%上昇。16日終値は86.18ドル で、時価総額は約430億ドル。

問題は今回の買収計画を規制当局が承認するかどうか。コムキャス トによるTWC買収計画は今のところ承認されていない。10年余り前に はディレクTVと同業のディッシュ・ネットワークの合併が阻止され た。AT&Tは11年に当局の強い反対でドイツテレコムの米子会社Tモ バイルUS買収を断念することを余儀なくされた。

両社によれば、買収合意が規制当局から承認されなくてもAT&T はディレクTVに違約金を支払う必要はない。

原題:AT&T Agrees to Buy DirecTV for $48.5 Billion to Add Viewers (2)(抜粋)

--取材協力:Mark Schoifet、Scott Moritz、Crayton Harrison、Jeffrey McCracken、Patricia Laya、Cordell Eddings.

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