コンテンツにスキップする

【今週の債券】長期金利0.5%台の下限探る、超長期中心に買いとの見方

今週の債券市場で長期金利は0.5% 台の下限を探ると予想されている。米国債利回りの低下傾向などを背景 に投資家が超長期ゾーンを中心に買いを入れるとの見方が出ている。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが16日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.54%-0.62%となった。前週末終値は0.58%。

前週の長期金利は週末にかけて水準を切り下げた。15日に節目 の0.6%を割り込み、16日には2カ月ぶり低水準の0.58%まで下げた。 5年債入札が順調だったことに加え、米10年債利回りの半年ぶり低水準 の更新、国内株価の大幅下落が買い手掛かりとなった。

日本銀行は20、21日の日程で金融政策決定会合を開催する。今回の 会合も金融政策の現状維持が決まる見込み。ブルームバーグ・ニュース がエコノミスト32人を対象にした調査によると、日銀の追加緩和時期で 5月を予想したのはゼロだった。6月の予想は2人。7月は最多の12人 となっている。黒田東彦総裁は21日の会合後に定例会見を行う

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「多くの市場参加者 は、日銀から金融緩和的なメッセージを受けてから国債購入に動くつも りであったが、海外金利の低下や来月の国債大量償還などを控え、徐々 に忍耐を失いつつある」と指摘。悪くともこう着相場を前提に、金利収 入とロールダウン(保有継続による値上がり益)効果の高い20年債を中 心に資金が入り込みそうだと言う。

長期金利は前週末に0.5%台後半に下げ、約2カ月続いた0.6%台前 半を中心とするレンジを下抜けた格好。三井住友アセットマネジメント の深代潤シニアファンドマネジャーは「投資家は最低限の買いを入れる に過ぎず、0.5%台前半を買い進むというより、金利水準をやや下げて もみ合うイメージだ」とみている。

20年債入札

20日に20年利付国債(5月発行)の入札が行われる。前回入札 の148回債と銘柄統合するリオープン発行で、表面利率(クーポン)は 前回債と同じ1.5%となる見込み。発行額は1兆2000億円程度。

22日には流動性供給入札が実施される。投資家需要の強い既発国債 を追加発行する入札で、今回の対象銘柄は残存5年超から15.5年以下と なる。発行額は前回より1000億円増額の4000億円程度。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は中心限月の6月物、10年国債利回りは333回債。

◎クレディ・スイス証券の宮坂知宏債券調査部長

先物6月物144円90銭-145円50銭

10年国債利回り=0.56%-0.62%

「超長期債ゾーン中心に利回り曲線がつぶれていくイメージだ。欧 米金利の低下傾向につられやすいが、10年債は金利の低下余地も限ら れ、超長期債に触手を伸ばす投資家が増えるのではないか。米国債は指 標の下振れに影響を受けやすくなっている。20年債入札は生命保険が買 いたい利回り水準ではないものの、銀行勢がどの程度買ってくるか注 目。トレーディング目的や日銀オペ見合いの買いがあるのではないか」

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤シニアファンドマネジャー

先物6月物145円10銭-145円50銭

10年国債利回り=0.55%-0.60%

「長期金利はレンジを切り下げての推移。米国では住宅などで景気 回復期待が盛り上がらず、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議 長の発言もあって金利先高観測が後退したことで、10年債利回りが1月 後半からのレンジを下抜けた。しばらく米金利は上昇しないとの見通し から、国内債にもこれまで買い遅れた向きの需要が膨らみ、先物より長 期や超長期がけん引する地合いと見込む」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物6月物144円90銭-145円80銭

10年国債利回り=0.54%-0.62%

「米国の景気見通しが重要で、住宅関連指標に注目。米10年債利回 りが2.2%を目指せば、日本の10年債も0.50%を試す方向ではないか。 日銀が国債を大量に買い入れているので、余剰資金を抱えた機関投資家 が買いを入れれば0.5%を下回ってもおかしくない。欧米市場で超長期 債利回りが低下しており、日本の超長期債は割安に見える。20年債入札 はリオープン発行で、波乱なく通過できると見込んでいる」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE