東京株式相場は続落。米国やユーロ 圏景気の先行きに加え、為替の円高推移、地政学リスクなどに警戒感が 強く、投資家の間でリスク回避姿勢が広がった。金融や輸出関連セクタ ー、情報・通信、石油株など東証1部33業種は全て安い。

TOPIXの終値は前日比19.22ポイント(1.6%)安の1159.07、 日経平均株価は201円62銭(1.4%)安の1万4096円59銭。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフストラテジストは、米経 済について「寒波の影響から抜け、今から年末にかけ強くなるという見 方の方が多い」としつつ、「住宅だけに関して言えば、懸念が残る」と 指摘。きょうの日本株はそうした影響を受けた、と言う。

全米ホームビルダー協会とウェルズ・ファーゴが15日に発表した5 月の米住宅市場指数は45と、昨年5月以来の低水準となった。4月の鉱 工業生産指数も、市場予想に反し前月比で0.6%低下。また、ユーロ圏 の域内総生産(GDP)も前期比0.2%増と、予想より弱かった。この ほか、米小売最大手の米ウォルマート・ストアーズの5-7月期の利益 見通しが市場予想を下回り、同日の米S&P500種株価指数は0.9%安と 続落した。

きょうの為替相場はおおむね1ドル=101円50銭台、1ユーロ=139 円20銭台を中心に取引され、15日の東京株式市場の終値時点101円87 銭、139円73銭に比べ円高方向で推移した。

この日の日本株は欧米統計や為替を警戒し、朝方から幅広い業種に 売りが先行。日経平均は200円以上下げて始まり、一時こう着したが、 午前後半から午後前半にかけ一段安。一時281円安の1万4016円と1カ 月ぶりの1万4000円割れが寸前に迫った。

低落する米金利、東南アジアや日本の憲法論議に懸念も

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、 米景気について「年初は景気回復、株高、金利上昇、債券安というシナ リオだったが、1、2月の天候要因の剥落後、期待していたより鈍い回 復かもしれないという見方が出てきている」と指摘。米長期金利の異常 な低下には注意が必要で、「単純なファンド勢のボジション調整のレベ ルを超えてきている」と、ドル安・円高の継続リスクに言及した。15日 の米10年債利回りは一時2.47%まで低下し、昨年10月30日以来の低水準 を付けた。

東南アジアの地政学リスク、日本の憲法解釈をめぐる政治情勢も投 資家心理にマイナスの影響を及ぼした。ベトナム中部で行われている反 中国デモは一部参加者が暴徒化し、中部にある台湾の製鉄所の労働者が 攻撃され、1人が死亡、128人が負傷した。安倍晋三首相は15日夕の会 見で、これまで政府が憲法解釈で禁じてきた集団的自衛権の行使の限定 的な容認について、政府として研究を進める考えを示した。

SBI証券の藤本誠之シニア・マーケット・アナリストは、安倍首 相の姿勢は「懸念材料。海外投資家が次の成長戦略をしっかり出してく れるだろうかと不安に思う」と話していた。ただ、取引終了にかけては やや下げ渋り。大和住銀の門司氏は1万4000円接近について「ことしに 入り2月、5月にこの近くまで来て反発したこともあり、ここで跳ね返 せば、支持線としてはかなり強い」と見ている。

東証1部33業種の下落率上位は情報・通信、石油・石炭製品、電 気・ガス、その他金融、銀行、パルプ・紙、海運、食料品、証券・商品 先物取引、保険など。売買代金上位では、今期の営業利益計画が市場予 想を下回ったジャパンディスプレイが急落。ソフトバンクや三井住友フ ィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソニ ー、アイフル、KDDI、JT、ケネディクス、三菱地所、日産自動 車、JR東日本、アステラス製薬、ダイキン工業、三菱電機なども安 い。

これに対し、自社株買いへの評価でSMBC日興、みずほ証券が投 資判断を上げたアマダが連騰。前期営業利益が従来比上振れた日本ガイ シ、今期営業利益計画を増額したSUMCOも高い。東証1部の売買高 は20億4189万株、売買代金は1兆8903億円。値上がり銘柄数は159、値 がりは1602。

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