コンテンツにスキップする

ドルは101円後半、GDPで一時円買い-米金利低下が上値抑制

東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=101円台後半で推移した。米長期金利の低下が上値を抑える 中、日本の1-3月期の国内総生産(GDP)が予想を上回り、日本銀 行の追加緩和の可能性が低下するとの観測から一時円高に振れる場面も 見られた。

午後3時27分現在のドル・円相場は101円94銭前後と、前日のニュ ーヨーク市場終値(101円90銭)とほぼ同水準。GDP発表直後の反応 は限定的だったが、日本株が下落して始まると、リスク回避の連想も働 き、一時4営業日ぶりの水準となる101円66銭までドル売り・円買いが 進んだ。

ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)の為替戦略共同責任 者、レイ・アトリル氏(シドニー在勤)は、「GDPが非常に強かった ので、日銀の緩和の可能性は低下したようにみえる」と言い、「円安要 因の一つが取り除かれる可能性がある」と指摘。その上で、「米国債利 回りとドル・円の関係は依然重要で、それもドル・円の抑制要因の一つ になっている」と説明した。

ユーロ・円相場は1ユーロ=139円台後半から一時139円48銭まで円 高が進み、前日の海外市場で付けた3月4日以来のユーロ安・円高水準 まであと1銭に接近。その後は日本株が下げ渋るにつれて値を戻し、同 時刻現在は139円80銭前後となっている。

GDP上振れ

日本の1-3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年 率5.9%増と6四半期連続でプラス成長となった。ブルームバーグのエ コノミスト調査の予想中央値は同4.2%増だった。

上田ハーロー外貨保証金事業部の片桐友仁氏は、GDP発表前に、 「日本の景気回復は株価にプラスとなるものの、同時に日銀による追加 緩和は不要との見方にもつながる」とし、「株価がやや弱含んでいるこ とや米長期金利が低下傾向を強めていることで、ドル・円は売られやす く、101円半ばを下回る場合には下値を拡大する可能性が出てくるため 注意が必要」と指摘していた。

日本銀行の黒田東彦総裁は参院財政金融委員会の答弁で、15年度中 心の期間に物価が日銀が目標とする2%に達する可能性が高く、本年度 後半から物価は再び上昇傾向をたどるとの見通しを示した。午後には都 内で行われた講演後の質疑応答で、仮に見通し通りに物価目標が達成さ れなければ、「金融政策の調整を行う」と発言。追加緩和について「手 段はたくさんある」とも語った。

15日の東京株式相場は下落。日経平均株価は一時、200円超下げる 場面が見られた。

米債利回り低下

前日の海外市場では、景気支援のため金利を抑える刺激策を中央銀 行が維持するとの観測を手掛かりに、世界的に国債利回りが低下した。

欧州中央銀行(ECB)のプラート理事はドイツ紙ツァイトとのイ ンタビューで、ECBが幅広い政策手段を検討していると発言。一方、 イングランド銀(英中央銀行)のカーニー総裁は、利上げを開始する前 に経済のたるみを一段と解消する余地が残っていると述べた。

米10年債利回りは一時、昨年10月31日以来の低水準となる2.52%ま で低下。欧州ではドイツとフランスの10年債利回りが1年ぶりの低水準 を付けたほか、英国債利回りは1月以来の大幅低下となった。

ユニオン・バンクのトレーダー、白井万雄氏(ロサンゼルス在勤) は、米金利低下について「ECBやイングランド銀行のハト派的な姿勢 への反響」ではないかとした上で、ドル・円については「金利の動向次 第」と指摘。「101円を割れてきたりすると、下方向に走ってしまう可 能性もある」とする一方、「米国債利回りがこれ以上大きく下がってく るとも思えない」と言い、「ドル・円はしばらくこの辺りでもみ合いか なと思っている」と話した。

この日は海外時間には米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン 議長の講演が予定されている。経済指標では米国で5月のニューヨーク 連銀製造業景況指数や4月の消費者物価指数(CPI)が発表される予 定。欧州ではユーロ圏の4月のCPI改定値や1-3月期のGDP速報 値の発表が控える。

ユーロ・ドル相場は13日に約5週間ぶりのユーロ安値となる1ユー ロ=1.3689ドルを付けて以降、1.37ドル台前半でもみ合う展開が継続。 同時刻現在は1.3714ドル前後となっている。

--取材協力:大塚美佳、Kristine Aquino.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE