日本株下落、円高と一部で業績懸念-ソニー、クレセゾン急落

東京株式相場は下落。欧州の追加金 融緩和観測を背景にした為替の円高推移が嫌気され、一部企業の今期業 績計画に対する警戒感も広がった。業種別ではその他金融や証券など金 融株、電機や精密機器など輸出関連、小売株が安く、個別ではソニー、 クレディセゾンが株価指数の押し下げ寄与度上位に並んだ。

TOPIXの終値は前日比4.86ポイント(0.4%)安の1178.29と3 日ぶりに反落、日経平均株価は107円55銭(0.7%)安の1万4298円21銭 と続落。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、「円高 と米国株の調整、一昨日上がった分の利益確定売りの3つが主因」と指 摘。国内企業の決算については、全体の1株利益(EPS)が「少なく とも伸びてきており、今の水準が割高になるという状況は避けられそ う」と話していた。

きょうの為替相場はおおむね1ドル=101円80銭前後、1ユーロ =139円70銭前後と前日の東京株式市場の終値時点102円10銭、140円10 銭付近から円高方向で推移した。欧州中央銀行(ECB)が追加緩和に 動くとの観測が背景にあり、対ドルでは前日の米10年債利回りが約半年 ぶりの水準に低下したことも影響した。

ECBのメルシュ理事は14日、幅広い政策措置に高速モードで取り 組んでいると発言。さらに、6月の次回会合で行動を起こすことにやぶ さかではないとドラギ総裁が8日に述べたのは、トリシェ前総裁の手法 を踏襲したものと語った。

1-3月GDP、売買低調は続く

きょうの日本株は、為替の円高と前日の米国株安が嫌気され、下落 して始まり、日経平均は一時215円安の1万4190円まで売られた。いち よしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、不透明要因が多い中 での過剰流動性相場で完全なリスクオンにはなり切れず、投資資金が 「短期化しており、モメンタムがあるところにしか向かわない。日本の ように、下がっているところには資金が入ってこない」と言う。

取引開始前に内閣府から発表された日本の1-3月実質国内総生産 (GDP)の速報値は、前期比年率で5.9%増と市場予想の4.2%増から 大きく上振れた。個人消費が2.1%増、設備投資が4.9%増で、消費税増 税前の駆け込み需要が予想以上に強かったことを示した格好だ。ただ、 松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「内需は大きく プラスだったが、外需はマイナスで、少し気掛かりなところもある。市 場の目線は4-6月以降のところに向かっている」と指摘した。

朝方の売り一巡後は下げ渋ったが、東証1部の売買高は20億4265万 株、売買代金は1兆8170億円で、代金は前日までの年初来1日当たり平 均の2兆1457億円を下回る状況が続く。

東証1部33業種はその他金融、証券・商品先物取引、精密、保険、 小売、倉庫・運輸、電機、非鉄金属、輸送用機器など22業種が下落。石 油・石炭製品、不動産、パルプ・紙、海運、鉄鋼など11業種は高い。

売買代金上位では今期も最終赤字を見込むソニー、今期営業減益を 計画したクレセゾンが大幅安。今期は経常減益見通しの三井住友フィナ ンシャルグループも安い。ホンダ、住友金属鉱山、大和証券グループ本 社、オリックス、セブン&アイ・ホールディングス、太陽誘電も下げ た。一方、三井不動産やドワンゴ、コロプラ、アマダ、NTNが買わ れ、経営陣による買収で株式を非公開化するローランドは急騰。世界的 な株価指数のMSCIスタンダードインデックスに新規採用された名古 屋鉄道も大きく上げた。東証1部の上昇銘柄数は585、下落は1102。