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邦銀3メガ:今期13%減益に、アベノミクス効果薄れる

三菱UFJフィナンシャル・グルー プなど大手邦銀3グループの今期(2015年3月期)連結純利益は合計で 2兆1800億円となる見通しだ。前期実績から13%の減益となる。一時大 きく進んだ株高などアベノミクス効果が薄れるのが主因。与信関係費用 も負担となる見込みだ。各社が14日予想を公表した。

今期の純利益予想・目標は三菱UFJが前期実績比3.5%減の9500 億円、三井住友フィナンシャルグループが同19%減の6800億円、みずほ フィナンシャルグループが同20%減の5500億円と各グループとも減益を 予想。合計額はブルームバーグ・データによるアナリストの予想平均2 兆1338億円を上回っている。

決算会見でみずほFGの佐藤康博社長は「アベノミクス効果は株価 上昇で先行しているが、貸し出しに結びつく成長資金はこれからだ」と した上で今後、貸出金は増加しても利ざやは改善しにくいと見通した。 三井住友FGの宮田孝一社長は、株式関係収益や与信関係費用の戻入益 は継続的に期待できるものではないとの認識を示した。

安倍晋三政権発足後に日本の株式相場が急回復、13年は主要国市場 のベストパフォーマーとなったが、今年に入り東証株価指数(TOPI X)は年初来10%下落。前期は利益押し上げ要因となった株式関連収益 の拡大は期待しにくい状況にある。今期以降は国内の景気回復を捉えて 本業の増強につなげていけるかが課題となる。

フィッチ・レーティングスの堀内千花子ディレクター(香港在勤) は国内の融資環境について、「法人セクターにまだまだお金がたまって おり、経済が若干良くなっても資金需要が右肩がりに伸びるとは思わな い」と指摘。また「利ざやは金利環境に大きく影響され、競争も激しく 拡大しにくい」とみている。

貸出金・利ざや改善の行方

各社の発表によると3月末の貸出残高は三菱UFJがタイ大手アユ タヤ銀行子会社化などが貢献し前年同期比12%増の102兆円(連結)、 三井住友が同6%増の63兆4000億円(単体)、みずほが同4%増の69 兆3000億円(2行合算・平残)と海外が牽引した。資金利益は3グルー プ合計でその前の期に比べ4.3%増の4兆4711億円だった。

日銀統計によれば、都銀の総貸出平残は前年同期比で17カ月連続増 加を続けているが、今年に入ってからは4カ月続けて伸び率が縮小し、 4月は1.1%と過去1年間で最低となった。預金が融資に回らないカネ 余りも続いており、ブルームバーグ・データによると収益性を示す邦銀 の純利息マージン平均はアジア太平洋地域で最低水準にある。

BNPパリバ証券の鮫島豊喜シニアアナリストは、メガバンクの収 益について、「国内の利ざやは低下基調が続き、これに対応するには貸 し出し強化でボリュームの積み上げが必要」とみる。その上で「引き続 きスプレッドが取れる海外融資の拡大が重要で、全体の利ざやの改善に もつながる」と述べた。

みずほの佐藤社長は海外融資について、「国内と違って引き続き資 金需要が強い」と話した。今期の純利益目標で9500億円を掲げた三菱 UFJの平野信行社長は達成に向け、個人向け(リテール)、国内企業 向け、海外融資などの「本業をしっかりやる」とし、今期の目標は「ア グレッシブな計画だ」と強調した。

前期は2社が過去最高益

3グループの前期純利益の合計は前の期比14%増の2兆5086億円。 個別で三井住友が前の期比5.2%増と2年連続で、みずほが同23%増で 8年ぶりに最高益を更新した。三菱UFJは16%増だった。06年3月期 以来の好決算となった。三菱UFJ、みずほが増配に踏み切った。

前期の株式関係損益は3グループ合計3108億円の利益で1576億円の 損失だったその前の期から差し引き4684億円改善した。与信費用は合 計1739億円の戻入益となり、前年同期の4006億円の費用負担から一転し て利益の押し上げ要因となった。

--取材協力:谷口崇子.

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