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ソニー:今期赤字予想で株価大幅下落-平井社長の手腕問われる

今期(2015年3月期)の連結純損益 見通しを500億円の赤字としたソニーの株価が大幅下落している。パソ コン事業からの撤退や事業構造改革に伴う費用などが収益を圧迫する見 込みで、平井一夫社長の再建手腕が問われそうだ。

ソニー株は一時前日比6.9%安と昨年11月以来の日中下落率とな り、午前9時18分現在は6.3%安の1691円で取引されている。ソニーが 前日発表した今期の赤字見通しは、09年3月期以降、12年3月期を除い て赤字が続くことを示す。アナリスト19人による事前予想の平均は571 億円の黒字(ブルームバーグ・データ)だった。前期純損益は1284億円 の赤字。

平井社長にとって最大の経営課題であるエレクトロニクス事業の再 生は道半ばで、前期には3度にわたる純損益見通しの下方修正を余儀な くされた。同社は2月に「バイオ」パソコン事業の売却や今期末まで に5000人の人員削減を行う構造改革を発表。テレビ事業についても7月 をめどに分社化するが、将来の事業売却の可能性を排除しておらず、課 題は残る。

SBIアセットマネジメントの取締役運用本部長の木暮康明氏は、 今期の業績予想も赤字となったことで「平井社長の手腕への懸念は出て くる」と話した。その上で、米国ならば株主が辞任を要求する状況にな る、と批判した。

同社は今期の営業利益1400億円、売上高7兆8000億円との見通しも 示した。今期の前提為替レートは1ドル=103円前後、1ユーロ=137円 前後としている。

「構造改革やり切る」

吉田憲一郎最高財務責任者(CFO)は14日の記者会見で、「事業 内容の変化にコスト構造を対応していく」と述べるとともに、「14年度 は構造改革をやり切る年と位置付ける」と言明した。また、本社管理部 門の「高コスト体質を変えられるかが最大のチャレンジ」と述べた。

今期の事業構造改革費用として同社は1350億円を見込む。前期 を24%下回るが依然高水準で、PC事業撤退関連以外にも販売会社や本 社の構造改革費用なども盛り込んでいる。

エレキ事業の中核と位置付けられるスマートフォンの今期の販売目 標は5000万台で、前期に比べ28%の増加となる。10期連続で赤字計上し 今期中に分社化するテレビ事業では、1600万台の販売目標を掲げてお り、黒字化する見通し。デジタルカメラの販売は市場の縮小を反映して 前期比30%減の800万台を想定している。

ドイツ証券の中根康夫アナリストは「テレビとスマホの販売目標は 会社計画より下振れる可能性がある」と述べた。

据え置き型ゲーム機については今期に1700万台の販売を予想してい る。会社の発表によると4月6日時点でPS4は実売が世界で700万台 に達し、当初3月末までに500万台としていた目標を大きく上回った。

「下方修正リスク」

ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真最高経営責任者は テレビやゲームが売れなかった場合は「赤字はさらに拡大する可能性が ある」と指摘、「下方修正リスクも否定できない」と話した。またテレ ビなど不採算部門からは撤退し、カメラのイメージセンサーなど「強い 分野に集中すべきだ」と話した。

朝日ライフアセットマネジメントの中谷吉宏シニアファンドマネジ ャーは、「平井社長がエレキにこだわるのであれば、アップルのように 革新的な商品を生み出し続ける必要があるが、それは難しい」とした上 で、消費者向け事業に執着すると厳しくなると指摘した。

また、過去10期の累計赤字額が7900億円となったテレビ事業につい て、ドイツ証券の中根氏は、「パソコン事業の撤退に高額な費用が掛か ることを考えれば、テレビ事業からの撤退は一層難しい印象」だと述べ た。

マッコーリー証券アナリストのダミアン・トン氏は14日付のレポー トで「当面、投資家にはリストラ疲れが見られるかもしれないが、リス トラ自体は健全なこと」と述べた。

--取材協力:Chris Shimamoto.

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