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GPIF議事要旨:国内株アクティブ比率低下、スマートベータも議論

世界最大の年金基金、年金積立金管 理運用独立行政法人(GPIF)は第76回運用委員会(委員長:植田和 男東大大学院教授)で、当時検討中だった国内株式の運用委託先見直し に伴い、アクティブ型ファンドの比率が低下せざるを得ない見通しだっ たことが分かった。

GPIFが14日にウェブサイトで公表した3月10日開催の議事要旨 によると、アクティブ型は「規模制約のあるファンドが多く、結果的に 下がる」と見通しだと事務局が説明。ある委員は優秀なアクティブ型フ ァンドは「キャパシティが小さい」ため、資金量が多い同法人が「アク ティブ型を増やすのは難しい面がある」と指摘した。

国内株22.1兆円を抱えるGPIFは4月4日、こうした議論を踏ま え、運用委託先を約7年ぶりに見直した。アクティブ運用では超過収益 を獲得できる運用指標に基づき中長期的に効率的な収益確保を目指す「 スマートベータ型」を、従来型とは別枠で開始。新たなインデックスの 採用を通じてアクティブ、パッシブ運用ともにJ-REITへの投資も 始めた。TOPIXだけだったパッシブ運用ではJPX日経インデック ス400など3指数を新たに採用した。

運用委員会では、スマートベータ型のアクティブ運用に関する意見 が相次いだ。ある委員は過去の実績に基づく試算によると「伝統的なア クティブ運用とは反対の動き」となるので「ダウンサイドを少し抑えて くれる効果が期待できる」と発言。このため、スマートベータ型で運用 成績が低く出た場合の「評価の枠組み」も検討する必要があると指摘し た。

スマートベータ型

一方、別の委員はスマートベータ型を導入するのは「ディフェンシ ブ」な狙いからではなく「絶対リターンをより多く取っていく」のが趣 旨だと指摘。「株式投資の中での分散効果」に期待する声もあった。

事務局は、スマートベータ型は「あくまでも対TOPIXでアルフ ァを稼ぐ手法として、インデックスに立脚したアクティブ運用という位 置づけ」だと説明。ただ、分散投資効果など新たな軸を設けることで「 TOPIXに対する勝ち負けだけで評価するのは避ける必要がある」と も述べた。時価加重とは違うウエートでポートフォリオを組むため「売 買回転率が高くなり、取引コストもかかる」ことから、保有量に制約が 出る面も指摘した。

インハウス運用の可否に関する委員からの質問に対しては「理屈で はあり得るが、直接投資できないという法律上の制約とのバッティング は考えないといけない」と応じた。

GPIFの運用資産額は128.6兆円程度。資産構成比率を定めた「 基本ポートフォリオ」は国内債が60%、国内株が12%などとなっている 。昨年末時点では国内債が55.2%と06年度の設立以降で最低となる一方 、国内株は17.2%と07年12月末以来の高水準を記録した。同法人が注視 する年金特別会計分も含めた実績は国内債が53.4%、国内株は16.7%だ った。

安倍晋三内閣が日本経済の活性化を目指し、日本銀行の黒田東彦総 裁が2%の物価目標を掲げる中、GPIFは金利が上昇した場合に評価 損を被りかねない国内債の保有比率の引き下げを求める圧力に直面して いる。昨年11月には政府の有識者会議が国内債偏重の見直しやリスク資 産の拡大検討などを求める提言をまとめた。

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