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ユーロ5週ぶり安値圏、ECB当局の発言警戒-ドル102円前半

東京外国為替市場では、ユーロが対 ドルで前日付けた約5週間ぶりの安値付近で推移。海外時間に欧州中央 銀行(ECB)当局者の講演などを控え、追加緩和をめぐる発言への警 戒感から、ユーロは上値の重い展開が続いた。

午後4時5分現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.3720ドル付 近。前日の海外市場では一時1ユーロ=1.3689ドルと、4月4日以来の 水準までユーロ安が進んだ。同時刻現在のユーロ・円相場は1ユーロ =140円15銭付近。一時は139円94銭まで水準を切り下げた。

外為どっとコム総合研究所の石川久美子研究員は、日米の金融政策 が「喫緊の話題ではなくなっている」とし、「一番分かりやすいテーマ がECBの政策動向ということになってしまっている」と指摘。目先は ECB関係者の発言内容をみながら、「6月の追加緩和観測が補強され るかが焦点」だと言い、ユーロの下値警戒感が残っているとしている。

この日はドイツ連邦銀行のバイトマン総裁や、ECBのメルシュ理 事がベルリンで開催されるコンファレンスで発言する見通し。

一方、同時刻現在のドル・円相場は1ドル=102円15銭付近。ドル は朝方に付けた102円28銭から午後には102円12銭まで水準を切り下げ た。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は、前日の海外市場で4月8日以来の高値を付け、東京市場で も80台を維持している。

ECB追加緩和観測

ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が13日に発表した5月の ドイツ景況感指数(期待指数)は、33.1と、前月の43.2から低下。ブル ームバーグ・ニュースがまとめたエコノミス予想の中央値40も下回っ た。

バークレイズのFXストラテジスト、逆井雄紀氏(ニューヨーク在 勤)氏は、先週のECB会合の結果をみる限りだと、「やはり追加緩和 の可能性は十分にあると思う」とした上で、ユーロが高くなることで、 追加緩和を誘うという展開にもなりかねないと指摘。中長期的にユーロ が下方向という見方が、より強くなっているとしている。

ECB政策委員会メンバーのハンソン・エストニア中央銀行総裁は リトアニア紙ベルスロ・ジニオス(VZ)とのインタビューで、ユーロ 圏の状況について、景気循環が欧州連合(EU)の先を行く「米国のよ うな様相にはまだない」と述べ、インフレ率が急上昇する兆候はないと の見解を示した。

事情に詳しい関係者2人が13日までに匿名で語ったところによる と、ドイツ連邦銀行(中銀)はECBが予測対象期間とする最終年の物 価安定見通しに注目し、マイナス預金金利や危機時代の債券購入で生じ た流動性を吸収する不胎化の停止を含むさまざまな措置を講じることに 否定的ではないものの、何も決定されていないと説明した。

米紙ウォールストリート・ジャーナルはこれより先に、ECBの見 通しで、2016年のインフレ率予想が下方修正されれば独連銀は大規模な 刺激策実施に「オープン」な姿勢だと報じていた。

一方、米商務省が発表した4月の小売売上高(速報値)は、季節調 整済みで前月比0.1%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめた エコノミスト予想の中央値は0.4%増だった。前月は1.5%増(速 報1.1%増)に上方修正された。

逆井氏は、米小売売上高は4月の伸びが減速したものの、前月分が かなり上方修正されており、「個人消費の伸びが減速に転じて、ここか ら徐々に下がっていくというわけではない」と説明。同統計の発表後に ドルはいったん売られたが、値を戻す展開になったと言い、「米国経済 が腰折れするわけではないと思うので中長期的な上昇というのは変わら ない」とみている。

米国では週内に各種指標の発表が控えており、逆井氏は、ドル・円 相場について「ここから新しい方向感が出るような感じでもない」とも 言う。

--取材協力:大塚美佳.

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