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米国債:反発、予想下回る小売売上高で緩慢な成長見通し

米国債相場は反発。30年債が上昇を けん引した。米小売売上高の伸びが予想を下回り、景気減速下でインフ レが引き続き抑制されるとの見方が広がった。

経済成長のペースが落ちてきているとの見方から、2年債と10年債 の利回り格差は5営業日ぶりに縮小。米連邦準備制度理事会(FRB) のイエレン議長は15日に講演する。先週の議会証言では依然として高レ ベルの金融緩和が必要だとの見方を示した。

フェデレーテッド・インベスターズ(ピッツバーグ)のマルチセク ター戦略責任者、ドナルド・エレンバーガー氏は小売売上高統計につい て、「この5年半の非常に緩慢な回復から、これといった変化は示され なかった」と指摘。「債券相場が上昇しているのはそのためだ」と述べ た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)下げて3.45%。同年債(表面利率3.375%、2044年5月償 還)価格は30/32上昇して98 21/32。

10年債利回りは5bp下げて2.61%。2年債利回りは2bp低下 の0.38%。

2年債と10年債の利回り格差(イールドカーブ)は4bp縮小 の223bp。イールドカーブのフラット化は通常、景気減速を市場が予 想していることを意味する。

小売売上高、ショートカバー

米国債相場は朝方の米経済統計を受けて一段高となった。米商務省 が発表した4月の小売売上高(速報値)は、季節調整済みで前月 比0.1%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト 予想の中央値は0.4%増だった。前月は1.5%増(速報1.1%増)に上方 修正された。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「小売売上高の弱さが気 になった。相場は押し上げられ、ショートカバーが誘発された」と指 摘。「誰もが景気改善を期待しているが、実現していない。地政学的な リスクがこれに加わり、利回りは低く抑えられている」と述べた。

10年物インフレ連動債(TIPS)と通常10年債の利回り差(ブレ ークイーブンレート)は4月16日以来で最小の2.14ポイントを付けた。 今年に入っての平均は2.18ポイント。

CPI、PCE価格指数

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、15日に発表され る4月の米消費者物価指数(CPI)は前年比で2%上昇と予想されて いる。3月は同1.5%上昇だった。同指数は2012年10月以降、2%を超 えて上昇したことがない。

1日の米商務省発表によると、金融当局がインフレ指標として注目 する個人消費支出(PCE)総合価格指数は3月に前年比1.1%上昇。 当局の目標である2%を2年近く下回って推移している。

イエレン議長は15日に米商業会議所で講演する。先週の議会証言で は金融緩和策が引き続き正当化される理由として、「職を望む多くの米 国民はなお失業状態にあり、インフレ率が当局の目標である2%を下回 っている」と指摘した。

中国の4月の工業生産と固定資産投資の伸びはいずれも市場予想に 反して鈍化した。ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)がまとめた 5月の独景況感指数は、5カ月連続で低下。米国債はこれら統計を受け て、欧州の取引時間から堅調に推移した。

原題:Treasuries Rally as Retail-Sales Report Adds to Slow-Growth Bets(抜粋)

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