ウクライナ東部2州、親ロシア派勢力が「主権国家」宣言

ウクライナ東部ドネツク州の親ロシ ア派勢力は12日、国家としての「自立」の是非を問う住民投票の結果を 受け、ロシアへの編入を求めると表明した。一方、ウクライナ政府はロ シアから期限までに前払い金を支払わなければ天然ガス供給を停止する と警告を受けた。

ドネツク州の分離派は住民投票で9割が「自立」を承認したとし て、一方的に創設した「ドネツク人民共和国」の主権国家宣言を行っ た。隣接するルガンスク州の分離派も「人民共和国」の創設を決めた。 ロシアの国営ガス会社ガスプロムは同日、ウクライナが6月2日までに 同月分のガス料金を前払いしなければ、翌日に供給を停止すると表明し た。

ロシア外務省はウェブサイトで、「住民投票の暫定結果はドネツク とルガンスクの市民が自分たちにとって重要な問題を独自に判断する権 利をいかに切実に求めているかを如実に示す」とした上で、「キエフの 当局が一般的な意思表示ではなく実際に行動を起こし、状況の安定化に 向けウクライナ南東部の代表と効果的な緊急会合を開くよう期待する」 と表明した。

企業も制裁対象に

欧州連合(EU)は12日にブリュッセルで開いた外相理事会で、ク リミアに拠点を置く企業を初めて制裁対象とすることを決定。さらにロ シアの姿勢次第で産業界を対象に追加制裁も辞さないと警告した。

ロシア通信(RIA)によれば、一方的に創設を宣言した「ルガン スク人民共和国」のボロトフ「知事」は「われわれはキエフの暫定政権 の暴力や血で汚れた独裁、ファシズム、ナショナリズムからの独立を選 んだ。われわれは自由の道を選択した」と語った。

一方、米国とEUは住民投票を違法と指摘し、ウクライナ政府も非 難した。ウクライナのトゥルチノフ大統領代行は議会のウェブサイト で、住民投票は「ロシアの指導者に触発されたものであり、ウクライナ を完全に不安定にさせ、大統領選を妨害し、ウクライナ政権の転覆を狙 ったものだ」とし、「このプロパガンダ的な茶番は、計画した人物に刑 事責任を負わせる以外には法的影響力は何もない」と言明した。

ホワイトハウスのカーニー報道官はワシントンで記者団に対し、同 住民投票は「ウクライナ国内法に反して」おり、亀裂を深めようとする あからさまな工作だと指摘。投票用紙が記入済みだったり、児童が投票 したケースがあったとし、ロシアが住民投票を阻止するために影響力を 行使しなかったことに米国は「失望した」と述べた。

12日にドネツクの反政府軍の責任者に指名されたイーゴリ・ギルキ ン氏はウクライナ政府軍と警察に対し、同氏の指揮下に入るよう指示。 それに従わない場合は48時間以内に同地を離れるよう命じた。ドネツク の親ロシア派の指導者、デニス・プシリン氏は電話インタビューで、48 時間という期限が守られない場合、ウクライナ軍に対し「反テロ作戦」 を開始すると述べた。

原題:Ukraine Rebels Ask to Join Russia as Gazprom Threatens a Cutoff(抜粋)

--取材協力:Jonathan Stearns、Ian Wishart、Daria Marchak、Gregory Viscusi、Jones Hayden、Piotr Skolimowski、Anatoly Medetsky、Stepan Kravchenko、Anna Andrianova、Elena Mazneva、Catherine Dodge.

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