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さらば米国市民権、パスポート放棄急増-海外資産課税に対抗

「荒野の七人」など多数の映画に出 演し、アカデミー賞を受賞した故ユル・ブリンナーさんが米国パスポー トを在スイス米大使館に返上してから約50年。米国市民権を放棄する海 外在住の米国人が増えており、今年1-3月は前年から47%急増した。

2日付の米連邦公報によると、海外在住の米国人で市民権を放棄し た人の数は1-3月期に1001人。前年同期の679人を上回る。内国歳入 局(IRS)のデータによると、2013年全体では前年比3倍の3000人に 達した。

ユル・ブリンナーさんはベルンで米国市民権を放棄する前に、 IRSとの係争を抱えていた。海外在住の米国人推定600万人のうち、 7月に発効する資産公開規制の強化をきっかっけにパスポート返上を検 討する人が増えるとみられている。またスイスの銀行106行が脱税ほう 助での刑事訴追を避けようと、米国人顧客のデータ引き渡しに前向きに なっていることも、米国人でいることのうま味が薄れる原因になってい る。

スイスに10年以上住んでいる米国人、ジョン・アネン氏(46歳、数 学者)は「政府と銀行の戦争に巻き込まれている感じだ」と語る。「私 の生活スタイルを脅かす最大の要因は米国政府だ」と述べた。

経済協力開発機構(OECD)加盟国で唯一米国は、居住地にかか わらず米国市民に課税している。スイス最大の銀行、UBSは2009年に 7億8000万ドルの制裁金を支払い、約4700口座のデータを引き渡した。 米国はそれ以降、脱税の取り締まりを強化している。

外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)は米国人預金者の 氏名を明かさず情報を引き渡さない外国の銀行への送金などを対象 に、30%の源泉徴収を米金融機関に義務付けている。

(更新前の記事は出演映画名が間違っていたため訂正済みです)

原題:Yul Brynner’s Tax Spat Augurs Rush to Give Up U.S. Passports (2)(抜粋)

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