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三菱UFJなど3メガ銀、今期減益見通し-株高効果が剥落か

三菱UFJフィナンシャル・グルー プなど邦銀3メガグループの今期(2015年3月)連結純利益は、最高益 水準が見込まれる前期から一転して減益となりそうだ。専門家はアベノ ミクスによる株高などの恩恵が今期は剥落するとみている。

ブルームバーグ・データによれば、アナリストによる14年3月期純 利益の予想平均値は、3メガ合計で2兆4173億円。現在の3メガ体制と なった06年3月期以来、8年ぶりの好決算となったもよう。今期予想は 2兆1338億円で前期比では12%の減益となる。各グループは14日午後に 決算を発表する予定だ。

デフレ脱却を目指す安倍晋三政権発足後、日本の株式相場は急回復 し13年は約51%上昇と主要国市場中のベストパフォーマーとなった。景 気回復に伴う与信コストの改善などもあったが、好決算の主因は株式関 係損益改善や投信販売手数料の増加など株高の恩恵だった。しかし、日 本の株価はことし年初来でワーストに低迷している。

ドイツ証券の山田能伸アナリストは、「前期決算は株式関連が良過 ぎたが、今期はその分がなくなり正常化する」と見込む。貸し出しも順 調な伸びを示すなど、アベノミクスは「引き続き銀行収益にとってプラ スに働く」と分析している。

3メガ銀の12日の株価は、三菱UFJが前営業日比2円(0.4%) 高の563円、三井住友FGが同15円(0.4%)高の4119円、みずほFGが 同2円(1%)安の199円で取引を終了した。

株高で4700億円改善

株式関係損益は13年12月末までの9カ月間で3グループ合計2034億 円の利益となった。2657億円の損失だった前年同期から差し引き4691億 円もの幅で改善した。株価上昇が企業との持ち合い株式の評価改善や売 却益の確保につながった。こうしたプラス要因が剥落する今期は貸し出 しなど銀行本来の業務が鍵を握る。

アナリストによる前期連結純利益の見込み額は、三菱UFJが9534 億円、三井住友フィナンシャルグループが8031億円、みずほフィナンシ ャルグループ6608億円と高水準。これに対し今期の予想平均はそれぞれ 前期見込み比6%減の8966億円、同15%減の6850億円、同16%減の5522 億円。株高効果の剥落分を本業の融資などで補えないとみている。

全銀協によれば、都市銀行の貸出金は3月末まで17カ月連続で増加 し、残高は186兆4600億円で、この間に約10兆5000億円増えた。ただ、 預金が融資に回らないカネ余りが続いており、ブルームバーグ・データ によると収益性を示す邦銀の純利息マージン平均はアジア太平洋地域で 最低水準にある。

スタンダード&プアーズの吉澤亮二主席アナリストは、今期の銀行 の収益動向について、「引き続きニーズがある海外での資金需要をいか に取っていけるかも重要だ」と指摘。三菱UFJによるタイ大手アユタ ヤ銀行、三井住友のインドネシア銀BTPNなど「邦銀メガが買収した 銀行などからの収益がどれくらい乗ってくるか」に注目している。

景気や金利動向が焦点に

全国銀行協会の平野信行会長(三菱東京UFJ銀頭取)は3月のイ ンタビューで、「大企業先行型で業績が回復し、出てきた資金需要が中 小企業にも広がってきた」と指摘し、アベノミクス効果が本業の融資に も表れ、それが拡大しつつあるとの認識を示した。しかし、低金利政策 に伴う利ざやの低下が「目下の課題だ」と述べた。

みずほ銀行の林信秀頭取は、昨年から「国内が一つの成長エンジン になってきた」と述べ、中堅・中小企業向け融資の拡大に力を入れてい く方針を示した。三井住友も今期からの新たな中期経営計画(3年) で、4月から国内体制を見直し法人と個人を一体的に営業する組織に変 更するなど貸出金を積み上げようと動き出している。

ドイツ証の山田アナリストは、銀行の貸出金利を左右する短期金利 について「まだ上昇までに時間はかかる」と予想。ただ、金融緩和効果 による景気回復などを伴い、金利が反転して上昇が進めば、「大きな収 益の押し上げ要因になる可能性がある」と指摘した。

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