コンテンツにスキップする

春眠誘う4月の米国債市場、スローな取引でコーヒーお代わり

ウォール街の米国債トレーダーは エスプレッソでも飲んで眠気を覚まさないといけない。

米国債ディーラーにとって、2010年以降で最もスローな4月だっ た。米連邦準備制度理事会(FRB)のデータによると、市場規模は当 時から約37%も膨張したというのに。プライスはほとんど動かない。ボ ラティリティーは過去最低に向かっている。金利上昇に備えて投資家が いくらショートを積もうが、とにかく債券の価値は下落しなかった。

ビアンコ・リサーチ(シカゴ)のジェイムズ・ビアンコ社長は「明 日は誰が債券を売るだろうか。誰も売らない。すでに下げると予想して ポジションを組んでしまっているからだ」と述べた。

待つことだ。待つしかない。6カ月先もまだ、待っているかもしれ ない。連邦公開市場委員会(FOMC)は景気が十分に力強いと確信す るまでは、緩和政策を維持することを示唆しているからだ。

その結果、トレーダーはひまになる。米国債利回りの変動性を測る メリルリンチ・オプション・ボラティリティ・エスティメート( MOVE)指数は8日の時点で昨年末から22%下げた。過去10年の平均 を38%下回っている。

ニューヨーク連銀がまとめたプライマリーディーラー(政府証券後 任ディーラー)の取引高データによると、4月の米国債取引高は平均で 1日に4830億ドル。前年同月の5160億ドルから減少した。今年に入って からの平均は1日当たり5090億ドルと、昨年全体での平均5390億ドルを 下回っている。

JPモルガン、クレディ・スイス

この状況は債券ディーラーの台所事情を厳しくする。JPモルガ ン・チェースは先週、4-6月期の債券・株式トレーディング収入が前 年同期比で約20%減少するとの見通しを示した。クレディ・スイス・グ ループは昨年、ロンドンとニューヨークの債券部門で100人以上を削 減。トレーディング収入の落ち込みが人員整理の一因だった。

市場が動かない理由のひとつに、運用担当者の身動きが取れなくな っている状況がある。行動しては裏目に出、じっとしていては出し抜か れるというシナリオだ。エコノミストのほとんど全員が利回りは年末ま でに上昇すると予想しているなかで、積極的に取引に出る投資家はいな い。また売りに出たとしても、予想外の好機を逃してしまうかもしれな い。

そうしている間にイエレンFRB議長は7日の議会証言で、2年債 利回りをさらに押し下げた。議長は「高レベルの金融緩和が引き続き正 当化される」と発言した。金融当局は規模を縮小させているとはいえ、 大量の米国債を毎月購入しており、最大の保有者であることに変わりは ない。

ほぼ全員がショート

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、現在2.61% 前後の10年債利回りは年末には3.24%に上昇すると予想されている。ア ナリストらは債券相場の力強い上昇に多少は屈したのか、4月予想 の3.34%からは見通しを引き下げた。

ビアンコ氏のアナリストチームは8日のプレゼンテーションで、 「投資コミュニティーのほぼ100%が債券をショートにしており、価格 の下落を要求している」と指摘。「債券はなぜ上昇しているのか。誰も がすでにショートにしており、売り手が残っていないからだ」と説明し た。

原題:Wake Up, Bond Traders: U.S. Market Is Now a Volatility-Free Bore(抜粋)

--取材協力:Liz Capo McCormick.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE