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【クレジット市場】サントリー、日銀味方に付け格下げ克服

佐治信忠氏率いるサントリー・ホ ールディングスは、ムーディーズ・インベスターズ・サービスの格下げ による影響を乗り切ったようだ。日本銀行の金融緩和の恩恵で日本の社 債プレミアムは7年ぶりの小幅に縮小している。

2017年7月償還のサントリー債(表面利率0.74%、250億円)の対 国債スプレッドは10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)。ブル ームバーグがまとめたデータによると、今月1日のムーディーズ格下げ 以来、ほとんど変わっていない。ムーディーズはサントリーの格付けを 「Baa2」に2段階引き下げ、その理由に160億ドルでの米ビーム買 収を挙げた。日本格付研究所(JCR)も同日にサントリーを格下げし た。

日銀の黒田東彦総裁が指揮する債券購入で、日本の「AA」格の社 債スプレッドは平均17bpと、07年7月以降の最低に押し下げられた。 バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの指数によれば、世界の社債で は平均110bp。ブルームバーグが2日から8日にかけて行ったエコノ ミスト調査では回答者の75%が年内の追加緩和を予想しており、イール ドプレミアムの高い債券の需要が強まる可能性は高い。

朝日ライフアセットマネジメントの中谷吉宏シニアファンドマネジ ャーは電話取材に対し、「国債の利回り自体が低く抑えられているの で、スプレッドが少しでも広がったら買いが入って抑えられる」と述 べ、スプレッドが広がりにくい市場環境を指摘した。

負債増加

日本国債市場では先週時点の10年債利回りが0.605%と、安倍政権 が発足した12年12月から19bp低下した。外国為替市場では同期間に円 が約15%下がり、9日の午後4時53分現在は1ドル=101円70銭。

ムーディーズは1日の格下げに際し、サントリーは約1兆4000億円 を買収資金として調達する必要があると指摘。利用可能な手元現金をほ ぼ全額充当したとしても、買収に伴う負債の増加額は1兆円前後になる との推計を示した。

ムーディーズ・ジャパンの広報担当、稲田達矢氏はスプレッドの動 きなどについてコメントを控えた。

サントリー広報担当の小澤葉純氏は取材に対し、「国内の資金調達 に影響はないと見ている。一方、海外での資金調達の際に金利が若干上 昇する可能性があるが想定の範囲内だ」と電子メールで回答した。

原題:Billionaire Saji Beats Moody’s Cut With BOJ Shot: Japan Credit(抜粋)

--取材協力:Finbarr Flynn.

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