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JX:資産売却と投資抑制で最大2000億円捻出-事業環境悪化で

JXホールディングスは財務体質の 改善策として、2015年度までの2年間に旧新日本石油本社ビル(港区西 新橋)を含む資産売却と設備投資抑制で最大2000億円を捻出することを 検討している。松下功夫社長が9日の決算会見で明らかにした。

同社が財務体質強化を急ぐ背景には、石油精製事業の収益性低下や 海外開発投資案件からの収益貢献の遅れがある。松下社長は「13年度は 厳しい結果だった」とした上で、15年度の負債資本倍率(DEレシ オ)0.9倍以上という経営目標の達成は「難しい」と語り、設備投資抑 制と不動産や有価証券などの国内の保有資産売却の意向を表明した。

同日発表した前期(14年3月期)の連結純利益は、前の期比33%減 の1070億円。製品価格低迷により石油精製事業の業績が不振だったこと が全体の利益を圧迫。この発表を受け、株価は一時前日比7.7%安まで 下落した。

前期の石油精製事業の経常利益は33%減の1082億円。在庫評価の影 響で利益がかさ上げされており、これ除くと同事業は79億円の経常赤字 となった。前の期は1028億円の黒字。都内で会見した松下社長は、石油 製品の販売数量の減少に加え、販売マージン(石油製品の市場価格と原 油輸入価格の差)の「著しい悪化で」赤字になったと説明した。

製品輸出は減る見通し

同時に発表した今期(15年3月期)の業績予想は、純利益が1100億 円と前期比2.8%増となるものの、経常利益は2100億円と31%減を予想 している。販売マージンの改善や新規開発の銅鉱山や油田からの投資リ ターンの収益貢献を見込むものの、原油価格などの下落や円安進行 で600億円の在庫評価減が大きく響く見通しだ。

同社の大町章常務執行役員は、さらなる販売マージンの改善につい て、「原油処理の適正化、輸出の拡大、化学品へのシフト、市中からの 購入などを柔軟にやっていくことでマーケットを立て直す」と述べた。

JXは、国内での石油製品販売低迷を補うため、前期の石油製品輸 出量を1119万キロリットルと前年度比9.8%増やした。大町氏は今期の 輸出量については明言せず、「室蘭製油所の停止などで余力がないた め、前年度を下回る見通し」と述べるにとどめた。輸出品の中心となる 軽油、灯油、C重油の市況を踏まえ、機動的に対応していく考えだとい う。

--取材協力:岡田雄至.

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