ウクライナ:東部の勢力と対話の用意-分離派は投票強行へ

ウクライナの指導者らは8日、同国 東部の平和的な政治勢力の代表と対話する用意があると述べた。一方、 7日にロシアのプーチン大統領から自治権をめぐる住民投票延期を呼び 掛けられた親ロシアの分離派は投票強行を表明している。

プーチン大統領は7日にウクライナ国境からの部隊撤収やウクライ ナ大統領選への支持を表明したほか、現在はドネツクとルガンスクでの 住民投票に適した時期ではないと述べ、強硬姿勢を後退させた。しかし その1日後にロシアは国内全域にわたる軍事演習を実施。ウクライナの ヤツェニュク首相はロシアが第2次世界大戦の対ドイツ戦勝記念日で軍 事パレードを行う9日に「挑発を計画している」のではないかとの懸念 を示した。

ウクライナは、同首相とトゥルチノフ大統領代行が8日遅くに出し た声明で、手を血で汚していない勢力との対話を望んでいると述べ、 「全地域の全ての政治勢力の代表」の参加を呼び掛けた。

ドネツク分離派「ドネツク人民共和国」のアレクサンドル・マルチ ェフ報道官は8日の電話インタビューで、ドネツクの自治権をめぐる住 民投票は予定通り11日に実施されるだろうと語った。ルガンスクでも住 民投票実施の決定が発表された。

世論

米世論調査機関、ピュー・リサーチ・センターの調査によれば、ロ シア語が広く使われている東部においてさえ、住民の多くは分離を望ん でいない。現在の国家体制と国境を維持すべきだとした回答は東部 で70%、西部で93%に上った。同調査は4月5-23日に1659人を対象に 実施された。

プーチン大統領は8日、モスクワの国防省でビデオを通じて演習の 模様を視察。演習には「ロシア全域の軍が参加し、わが国の核抑止力も 含まれる」と述べた。同大統領は9日、クリミアでの海軍の行進に参加 する可能性がある。

プーチン大統領は「まずはキエフの政権と、東部と南部の代表の間 に公平かつ直接的な対話の機会を設けることによりウクライナの緊張を 緩和する」取り組みが進行中だと発言し、欧州安保協力機構 (OSCE)が提案した行程表に言及した。

シンクタンク、フレンズ・オブ・ヨーロッパ(ブリュッセル)のデ ィレクター、シャダ・イスラム氏は電話取材で、ロシア側の動きについ て「プーチン氏のシャドーボクシングにすぎない」と発言。「ロシアの 強硬姿勢が和らぐ兆候がないかを欧米諸国は必死になって探しているた め、こうした発言を信じる人もいる。プーチン氏は過去にもこういうや り方を見せたことがある。欧州は言葉に対しては疑いの目を向け、行動 を待つ必要がある。ウクライナ国境からの部隊撤収の確認といった現地 での事実を待つべきだ」と述べた。

原題:Ukraine Renews Offer of Dialogue as Russia Holds Military Drills(抜粋)

--取材協力:Ian Wishart、Scott Rose、Maciej Onoszko、Leon Mangasarian、Jones Hayden、Mark Sweetman、Patrick Donahue.

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