商社決算:非資源で稼ぐ、円安も寄与-商品市況低迷も4社増益

総合商社5社の2014年3月期連結決 算が9日、出そろった。石炭や銅などの商品市況が低迷する中で資源分 野は苦戦したが、非資源分野が堅調に推移。円安による利益の押し上げ 効果も大きく寄与し、伊藤忠商事と丸紅が過去最高益を更新するなど4 社が増益を果たした。

同日決算を発表した丸紅の純利益は2109億円と最高益を更新した。 買収した米穀物商社ガビロンの利益72億円が新たに寄与するなど新規投 資からの利益貢献があった。会見した国分文也社長は「資源価格は鉄鋼 原料を中心に相当軟調だったが、円安が業績には相当プラスに働いた」 と述べた。

資源関連では多額の減損損失の計上が相次いだ。住友商事は価格下 落による豪州石炭事業での277億円の減損計上が響き、唯一減益決算と なった。その他、伊藤忠が米シェールガス・オイル事業で318億円、三 菱商事も石油・ガス事業などで250億円の減損を計上。三井物産もチリ 銅開発事業で141億円の減損を出した。

一方、アジアでの自動車関連事業が堅調に推移するなど三菱商事の 非資源分野の純利益が前の期に比べて33%増の2590億円、伊藤忠は 同29%増の2468億円とそれぞれ最高益を更新。住商も北米の鋼管事業な どが堅調で非資源部門は8.6%増の2075億円と伸びた。

総合商社は海外での事業展開が多く、円安効果も大きかった。前期 の平均為替相場は1ドル=100円と前の期の83円から2割円安に振れ た。三井物産で860億円の押し上げ効果が出るなど5社合計では1900億 円に上った。資産入れ替えを積極化させた三菱商事の有価証券損益 が1000億円超拡大するなど、株式売却益の計上も貢献した。

今期(15年3月期)は三菱商事、三井物産、伊藤忠が国際会計基準 (IFRS)へと移行する。前期の米会計基準との比較では減益となる が、株式売却益の影響などを除いたIFRS基準での比較では3社とも 増益を見込むと説明している。

大和証券の五百旗頭治郎シニアアナリストは「円安効果や株式売却 益もあり前期決算は予想通りの良好な内容だった」と評価。今期業績に ついては「足元で銅や石炭、鉄鉱石などの資源価格が下落する中、どれ だけ抵抗力を示すことができ、他の部分で補えるかが注目点」という。 その上で「業績以上に何よりも注目するのは自社株買いを含めた株主還 元の動向」と指摘した。

【総合商社5社の決算一覧】
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        14年3月期    15年3月期   14年3月期
        純利益実績    純利益予想   の円安効果
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三菱商事     4448(24)          4000(-10 )        430
三井物産     4222(37)      3800(-10 )    860
伊藤忠商事    3103(11)          3000(-3.3)        200
住友商事     2231(-4)          2500( 12 )        220
丸紅       2109(62)          2200( 4.3)        200
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(注)単位は億円、カッコ内は前の期比%、
  住友商事と丸紅は国際会計基準。三菱商事と三井物産、伊藤忠は14
  年3月期が米国会計基準、15年3月期は国際会計基準。
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