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ユーロが対ドルで5日ぶり安値、ECB追加緩和観測が重し

東京外国為替市場では、ユーロが対 ドルで5営業日ぶりの安値を付けた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ 総裁の発言を受けて追加緩和観測が強まり、ユーロは上値の重い展開が 続いている。

午後3時10分現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.3838ドル付 近。一時は1.3832ドルまで水準を切り下げた。前日の海外市場では一 時1.3993ドルと、2011年10月以来の高値を付けていた。ユーロ・円相場 は一時1ユーロ=140円53銭と海外市場で付けた4月15日以来の安値に 並んだ後、140円81銭まで値を戻す場面も見られた。同時刻現在は140 円72銭付近。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラ テジストは、ECBがすぐに金融緩和をするわけではないので、ユーロ が1.40ドル台を超えないということはないとしながらも、「超えた途端 にけん制発言が出る可能性もあり、不用意に上をトライするのは心理的 に難しくなってきている」と指摘する。

ECBは8日の政策委員会で金利据え置きを決定。ドラギ総裁は会 合後の記者会見で、政策委員会は「次回会合で行動することにやぶさか でない」と言明した。

米長期金利動向を注視

一方、ドル・円相場は1ドル=101円55銭から一時101円76銭までド ル高・円安方向に振れ、その後は101円台後半での値動きが続いてい る。日本株の上昇を背景にやや円売り圧力がかかる一方、米長期金利の 低下傾向がドルの上値を抑える格好となっている。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は8日、上院予算 委員会で証言し、質疑応答では「力強い景気回復に至る前に金利が上昇 し始める可能性は低い」などとの見解を示した。

IG証券の石川順一マーケットアナリストは、「イエレン議長が超 低金利政策にコミットした姿勢を全面的に打ち出しているため、なかな か短期ゾーンを中心に米金利の低下圧力が弱まらない」と指摘。来週は 米国で4月の小売売上高などの経済指標が発表されるが、指標が総じて 強い内容になっても金利が上昇しなければ、ドル安傾向が続くと言う。

米国の10年債利回りは2.6%付近での推移が継続。三井住友信託銀 行ニューヨークマーケットビジネスユニットトレジャリーチーム調査 役、高橋健氏(ニューヨーク在勤)は、米10年債利回りは1月以降のレ ンジの下限近くに位置し、同水準を下抜けすると低下幅が広がる可能性 があるとし、「そうなると恐らくドル・円も100円を目指すような展開 になる」可能性はあるとみる。

一方、イングランド銀行(英中央銀行)は8日の金融政策委員会 (MPC)で、政策金利であるレポ金利を過去最低の0.5%に据え置く ことを決めた。ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト51人を対象に 実施した調査では全員が金利据え置きを予想していた。

英ポンドは対ドルで6日に一時1英ポンド=1.6996ドルと、09年8 月以来となる1.70ドル台乗せに迫っていたが、前日の海外市場で は1.6924ドルまで下落。東京市場では1.69ドル台前半で推移している。

--取材協力:大塚美佳、小宮弘子.

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