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三菱商:600億円自社株買いへ、株価は大幅高に-株主還元続く

時価総額で総合商社首位の三菱商事 は8日、発行済み株式数の2.4%、600億円を上限とする自社株買いを実 施すると発表した。取得した株式は全て消却する方針。同社が自社株買 いを実施するのは07年以来、7年ぶりとなる。

この日の同社株は自社株買いの発表などを好感し、一時前日比 で7.8%高の1960円まで上昇した。小林健社長は同日の決算会見で「成 長投資を進めると共に株主資本利益率(ROE)向上に必要な手は積極 的に検討していく」と述べ、その一環として今回の自社株買いを決めた と説明した。

総合商社では自社株買いの動きが相次いでいる。三井物産が資源分 野での高水準の投資が一段落したことなどを理由に3月に500億円規模 の自社株買いを実施。今後も機動的に対応する方針という。伊藤忠商事 の岡藤正広社長も8日の投資家向け説明会で、来期からの中期経営計画 で自社株買いを検討する考えを示した。

三菱商が株式取得に充てる原資は前期(2014年3月期)に754億円 の黒字となったフリーキャッシュ・フロー。「資産の入れ替えが加速 し、予想外の効果が出た」と黒字化を振り返り、「ROEに対して経営 はちゃんと考えているというメッセージをまずは出したかった」とい う。

同社の前期のROEは9.9%。昨年5月に発表した中期経営計画に よると、中長期的には12-15%を目指している。ブルームバーグの集計 データによると、06年3月期に18%だったが、13年3月期には9.4%に 下落している。

「株主還元スタンスの再考を促す」

JPモルガン証券の森和久アナリストは4月10日付リポートで「投 資偏重と考えられてきた商社セクターにおいて、三井物産の自社株買い と新中計が業界へ与える影響は大きく、株主還元スタンスの再考を促す きっかけともなりうる」と指摘していた。

三菱商はフリーキャッシュ・フロー754億円のうち600億円を自社株 買いに充て、60周年の記念配当1株当たり10円を今期に上乗せすること で約160億円を使い、全額を株主還元に充てる。今期の1株当たり配当 金は70円を計画。前期比で2円増配となり、過去最高の配当を連続で更 新する。

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