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首相失職のタイ:EMクエストがバーツ売り、市場の鈍さに警告

タイの金融市場は7日、インラック 首相の失職にもかかわらず、極めて反応薄だった。通貨バーツの対ドル 下落率は0.1%に満たず、同国債券市場でも指標銘柄の利回りはほとん ど変わらなかった。

EMクエスト・キャピタルやRMGウェルス・マネジメントは、現 時点での市場の反応の鈍さに投資家はだまされるべきではないと指摘す る。インラック首相が憲法裁の判断で地位を追われたことで政治的な混 迷が深まり、それが経済成長を損ない、バーツや同国債券相場の下落を 引き起こしかねない。

EMクエストで新興市場資産の運用に携わるフィリップ・ブラック ウッド氏は7日の電子メールで、「私の中では明らかに売りだ」と説 明。「政治的空白に加え、ソブリン格付け引き下げのリスクがあり、投 資も低調。低成長は明らかに外為相場のマイナス材料だ」と指摘した。 同氏はバーツを売る一方で、タイのクレジット・デフォルト・スワップ (CDS)を購入しているという。

タイ中央銀行は3月、今年の成長率見通しを従来の3%から2.7% に下方修正した。主要政策金利(2%)の据え置きを決めた4月23日の 金融政策決定会合の議事録によると、中銀は政治的な不透明感が景気拡 大の重しとなっている中では金融緩和の効果が限定される恐れがあると の認識を持っている。

バーツはドルに対してこの半年間で3%下落。ブルームバーグが継 続調査するアジアの主要12通貨で最もパフォーマンスが悪い。

RMGのスチュワート・リチャードソン最高投資責任者(CIO) は、政治的混乱によりタイ資産は他の新興アジア諸国・地域に比べて魅 力が乏しくなっていると指摘した。同氏はバーツは上昇しないとみてお り、インド・ルピーを買っていると説明。インドの金利は上昇基調にあ る上、選挙により財政改革が進むとの期待が高まっていると述べた。

ただ全員がタイ資産に弱気というわけではなく、アバディーン・ア セット・マネジメントで新興市場株を担当するピーター・テイラー氏の ようにタイ株を推す関係者もいる。

テイラー氏は7日、ニューヨークでの会合で「マクロ的な政治リス クに目をつぶっているわけではないが、企業のファンダメンタルズやバ リュエーションの方にずっと目を向けている。タイはこれまで毎年毎 年、優れた価値のある市場だった。特に小型株は目立っていた」と指摘 した。

原題:Thai Crisis Flashes Short Signal to EM Quest as RMG Selling Baht(抜粋)

--取材協力:Katia Porzecanski.

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