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日本株反発、円高一服と米緩和期待、中国改善も-商社に買い

東京株式相場は反発。為替の円高一 服や米国の金融当局が景気支援を継続するとの期待感、中国の輸出上振 れなどを材料に内外需業種に幅広く見直しの買いが入った。株主還元姿 勢への評価が高まった三菱商事や三井物産を中心に商社株が上昇、海運 や非鉄金属、電気・ガス、小売株も高い。

TOPIXの終値は前日比8.00ポイント(0.7%)高の1160.01と反 発し、日経平均株価は130円33銭(0.9%)高の1万4163円78銭と3営業 日ぶりに上昇した。

三菱UFJ投信の宮崎高志戦略運用部長は、米連邦準備制度理事会 (FRB)のイエレン議長の証言内容が「米景気は強いが、時間軸を前 倒しするほどではないというのはマーケットにとって最も心地良い」と 指摘。市場参加者の予想の範囲となり、「今までの『リスク資産に対す る強気スタンス』を変える必要はなかった」と言う。

FRBのイエレン議長は7日、上下両院経済合同委員会で証言し、 経済指標は4-6月の着実な成長を示し、年内は成長加速が見込まれる と指摘。住宅価格の上昇に伴う家計資産の増加、連邦・州・地方自治体 予算の足かせの弱まり、諸外国の成長加速、これら全てが寄与し、投資 や消費が増えるとの認識を示した。

一方で、インフレや雇用の指標は金融当局の目標から依然程遠い状 況にあるとも述べ、米経済がリセッション(景気後退)終了から5年た った現在でも、強力な刺激策を必要としているとの認識を示した。利上 げ時期に関する質問には、「実施時期に関し、機械的に決められた方式 やタイムテーブルは存在しない」と具体的な言及を避けた。

商社にぎわう、中国統計と株主還元

景気支援策の長期化観測から7日の米S&P500種株価指数は上 昇、米国株のボラティリティ指標であるシカゴ・ボラティリティ指数 (VIX)は2.9%低下し、米長期金利も下がった。同日のニューヨー ク為替市場ではドルが上昇、ドル・円相場は一時1ドル=102円台を付 けた。きょうの東京市場では101円70-90銭台と、前日の東京株式市場 の終値時点101円46銭に比べ円安方向に振れた。

米国動向、為替の推移を好感したきょうの日本株は反発して始ま り、午前後半から午後早々にかけて上昇幅を広げ、日経平均は一時200 円以上上げた。日本時間午前11時20分前後に中国の4月の輸出統計が明 らかになり、前年同月比0.9%増と3%減の市場予想に反し増えた。中 国株の堅調な値動きも、投資家心理にプラスに働いた。

商社や海運、鉄鋼など中国経済の恩恵を受ける業種が上昇。商社株 では、決算とともに自社株買いを8日午後発表した三菱商事、昨日午後 発表の新中期経営計画と株主還元姿勢が評価できるとし、野村証券が目 標株価を上げた三井物産が買われた。商社を含む卸売株指数は、 TOPIXの上昇寄与度と業種別上昇率でトップ。

売買はソフバンク偏重

もっとも、取引終了にかけ指数は伸び悩み。日経平均は、きのうの 下げ幅に対し3割の戻りにとどまった。引け後にトヨタ自動車の決算を 控えていた事情もあり、売買代金2072億円のソフトバンク1銘柄で東証 1部全体の1割強を占めるなど、取引に偏りが見えた。「日本株が安い ことは分かっているが、アベノミクスへの期待値が小さくなっているた め、6月の成長戦略が実際に出てくるまで積極的に買う理由がない」 と、いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は話していた。

東証1部の業種別33指数は卸売、海運、電気・ガス、繊維、医薬 品、保険、非鉄金属、精密機器、小売、鉄鋼など30業種が上昇。金属製 品、建設、輸送用機器の3業種は小安い。売買代金上位では三菱商、三 井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グルー プ、三井物、KDDI、ファーストリテイリング、JR東日本、アステ ラス製薬、味の素、カシオ計算機が上昇。ソフバンクや富士重工業、パ ナソニック、楽天、LIXILグループ、日本ゼオンは下げた。

売買高は17億8572万株、売買代金は1兆8294億円。代金は再び2兆 円を割れ、前日から18%減った。値上がり銘柄数は1103、値下がり は559。

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