コンテンツにスキップする

任天堂社長:新興市場向けに新型ゲーム機投入へ-来年にも

ゲーム機世界最大手、任天堂は新興 市場専用の新ゲーム機を使った市場開拓を2015年から始める計画だ。ゲ ーム機は先進国向け製品の廉価版ではなく、新興国専用として設計す る。同社の岩田聡社長が8日、都内で行ったブルームバーグ・ニュース とのインタビューで語った。

岩田社長は、先進国向け製品の応用では急増する新興国の中間層に 向けた価格を実現できないと説明。当初から新興国向けとして設計する ことで、低価格化を実現する意向を示した。ソフトについても、新たに 開発する。

02年に同社社長に就任した岩田氏は、ゲーム人口の拡大を掲げて顧 客層を広げ、据え置き型ゲーム機「Wii(ウィー)」や携帯型ゲーム 機「DS」のヒットにより、09年3月期には売上高を就任前の3倍超と なる1兆8386億円まで伸ばした。しかしスマートフォン(スマホ)向け ゲームの影響で業界構造が変化する中、新ゲーム機が販売不振に陥り前 期で3年連続となる営業赤字を計上した。

岩田社長は、新興国では「ニーズに合わせた、違うものを作らない と大きな結果は出せない」とし、新興国の潜在成長力を引き出すために は「価格と製品のバランスを根本的に考え直す必要がある」と述べた。

新興国でのゲームビジネスをめぐっては、中国が1月、13年間にわ たるゲーム機の販売禁止規制を解除した。これを受け、マイクロソフト は4月、XboxOneを9月から発売すると発表している。岩田社長 は7日の会見で、中国市場について研究していると明らかにしていた。

スマホ向けゲームは否定

任天堂が7日発表した前期の連結純損益は232億円の赤字、営業損 益は464億円の赤字と3期連続の赤字だった。今期は純利益200億円、営 業利益400億円を見込んでおり、前期の赤字の主要因となったWiiU の販売不振を「マリオカート8」など新作ソフトの発売によって巻き返 す考えだ。

市場にはスマホ向けゲーム投入により収益改善を求める声もある が、任天堂はソフト供給は自社のゲーム機に限る姿勢を崩していない。 岩田社長はインタビューで、スマホなどへのゲームの提供は「ハード、 ソフト一体型のプラットフォームの価値を毀損(きそん)して、われわ れの足場が逆に弱まる」と話した。

岩田社長によれば、同社の人気ソフトのスーパーマリオなどのゲー ムはスマホ用に設計されておらず、顧客を満足させられないと指摘。そ のため「われわれが持っているコンテンツの価値が下がってしまう」と 話した。またスマホ用のゲームを独自に制作する可能性については、競 争がゲーム機専用市場以上に激しいため「勝算もないのに出ていくの は、長期的な価値の向上に見合わない」と分析した。

マリオ活用

任天堂は収益拡大策として、新興国への進出のほか、Uや3DSと 連動するキャラクターフィギュア(人形)を販売する。フィギュアは近 距離無線通信(NFC)機能を持ち、ゲームデータを入力することで、 ユーザー独自のキャラクターを育成することが可能だ。またUのNFC 機能を使い、JR東日本の「スイカ」など交通系電子マネーでのコンテ ンツ料支払いなどが今夏から可能となる見込み。

任天堂株は8日、一時、前日比5.6%安まで下落。だが岩田社長の 新型ゲーム機に関する発言などで上昇に転じ、前日終値とほぼ同水準の 1万595円で取引を終えた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE