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米国債:利回り曲線スティープ化、FRB議長が緩和継続示唆

米国債市場では利回り曲線がスティ ープ化した。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が「高レ ベルの金融緩和策が引き続き正当化される」と発言したため、利上げ時 期が早まるとの見通しが弱まった。

5年債と30年債の利回り差は約1.75ポイントに拡大した。緩やかな 成長を背景に、当局は利上げが来年になるとの見通しを維持するとみら れている。10年債入札(発行額240億ドル)後、同年債はほぼ変わら ず。8日には160億ドル相当の30年債入札が実施される。

GMPセキュリティーズの債券戦略ディレクター、エイドリアン・ ミラー氏は「イエレン議長は緩和に対する当局の姿勢をあらためて表明 できたほか、時間枠を示すのを免れた。翌日に30年債の入札を控えてい ることもあり、利回り曲線はスティープ化した」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、5年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.65%。一時は1.63%と、4月17日以来の低水準を 付けた。同年債(表面利率1.625%、2019年4月償還)価格は1/8上昇 の99 7/8。

30年債利回りは2bp上昇の3.40%。10年債利回りは2.59%。

利回り差

5年債と30年債の利回り差は2日に1.68ポイントと、2009年以来で 最小になった後、拡大傾向にある。

期間が長めの国債はインフレ見通しに左右されやすく、期間が短め の国債は政策金利の影響を受ける。

10年債入札の最高落札利回りは2.612%と、6月以来の低水準。入 札直前の市場予想は2.613%だった。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.63倍と、前回の2.76倍を下 回った。過去10回の平均は2.67倍。

グッゲンハイム・セキュリティーズ(ニューヨーク)の米政府債ト レーディング担当マネジングディレクター、ジェーソン・ローガン氏は 「あすの入札に向けて良い下地を作った。現在、売り意欲よりも買い意 欲の方が格段に強い」と述べた。

議会証言

イエレン議長は上下両院経済合同委員会での証言で、経済指標は4 -6月(第2四半期)の「着実な成長」を示しており、年内は成長加速 が見込まれると指摘した。ただ、「職を望む多くの米国民はなお失業状 態にあり、インフレ率が当局の目標である2%を下回っている」と発言 した。

リスクとしては、米住宅市場の減速や「地政学的緊張の高まり」、 新興市場での金融ストレスを挙げた。さらに、住宅価格の上昇に伴う家 計資産の増加、連邦・州・地方自治体予算の足かせの弱まり、諸外国の 成長加速、これら全てが寄与し投資や消費が増えるとの認識を示した。

過去1カ月の世界の国債市場で、米国の長期債が最も成績が良い。 落ち着いたインフレと景気鈍化が背景にある。

ブルームバーグとEFFASがまとめたデータによると、期間が10 年以上の米国債のリターンは前日までの1カ月に3.5%となり、ソブリ ン債144指数の中で最高となっている。

原題:Treasury Yield Curve Steepens as Fed Chief Sees Accommodation(抜粋)

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