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ドルが対円で約3週間ぶり安値、FRB議長証言控え売り優勢

東京外国為替市場では、ドルが対円 で約3週間ぶりの安値を更新。米長期金利の低下圧力がくすぶる中、米 連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の議会証言を控えて、ド ル売り優勢の展開となっている。

午後3時40分現在のドル・円相場は1ドル=101円51銭付近。ドル は朝方に付けた101円77銭を上値に、午後には一時101円43銭と4月14日 以来の安値を付けた。前日の海外市場では、主要6通貨に対するインタ ーコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数が一時79.060と、昨年10 月以来の水準まで低下していた。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、足元のドルの軟 調地合いについて「米長期金利が低下傾向だということが一番大きい」 と指摘。イエレン議長の議会証言に関しては、「雇用の改善傾向を背景 に、ある程度景気の先行きに対する自信が示された場合は、米長期金利 が上昇する可能性がある」としながらも、順調な回復軌道という発言に とどまれば、「ハト派的と捉えられて再び長期金利に低下圧力がかか り、ますますドルの上値が重くなる」とみている。

この日のアジア株式市場はほぼ全面安の展開となり、日経平均株価 は前営業日比の下げ幅が400円を超えて取引を終えた。HSBCホール ディングスとマークイット・エコノミクスが7日に発表した中国の4月 のサービス業購買担当者指数(PMI)は51.4と3月の51.9から低下し た。

佐藤氏は、中国のサービスPMIは景況感の分かれ目となる50を超 えているが、同国経済は「全体的に大規模な発展や伸びは考えにくくな っている」と指摘。中国景気の下振れ懸念が根強い中で、日本株が一段 安の展開となれば、ドル安・円高に圧力がかかりやすいとしていた。

一方、この日の東京市場ではニュージーランド(NZ)ドルが主 要16通貨に対して全面安。NZ統計局が7日に発表した1-3月の失業 率は6%と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の中央 値5.8%を上回った。NZ中銀のウィーラー総裁は7日の講演で、NZ ドルが過大評価されているとの見解を示している。

FRB議長証言、ECB会合見極め

米10年債の利回りは5日に一時2.57%と、2月3日以来の低水準に 並んだ。その後は、2.6%台を回復したものの、6日には2.59%に低 下。アジア時間7日の時間外取引では、一時2.58%まで水準を切り下げ ている。イエレン議長は7日、上下両院経済合同委員会で景気見通しに ついて証言する。

三井住友銀行のチーフ・エコノミスト、山下えつ子氏は、「バーナ ンキ前議長が昨年のこの議会証言で緩和縮小に言及したというのもある ので、ちょっといわくがある」として、イエレン議長の証言に注目が集 まっていると説明。その上で、「景気はそこそこ良くなってきている が、まだ利上げまではそれなりに時間があって、利上げが始まってもゆ っくりと引き上げをしていくというような、とてもdovish(ハト派的) な感じというのは変わらない」とみる。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3951ドルと 3月13日以来の水準までユーロ高・ドル安が進行。この日の東京市場で は1.39ドル台前半で取引されている。マークイット・エコノミクスが6 日に発表した4月のユーロ圏サービス業景気指数(改定値)は53.1と、 3月の52.2から上昇。先月23日に発表された速報値と一致した。

欧州中央銀行(ECB)は8日に政策決定会合を開く。外為オンラ インの佐藤氏は、せっかく景気が上向きかけているところにユーロ が1.40ドル台に乗せるようなことがあったら、ユーロ圏経済にとって、 「厳しい」とし、ECBがユーロ高のけん制や緩和策などに動く可能性 はあると言う。

一方、前週末2日に米国で発表された4月の雇用統計では、非農業 部門の雇用者数が前月比28万8000人の増加と、ブルームバーグ・ニュー スがまとめた市場予想の中央値21万8000人増を大きく上回り、2012年1 月以降で最大の伸びとなった。これを受けて、ドル・円相場は一時103 円02銭と、4月8日以来の高値を付けていた。

山下氏は、「雇用統計で103円を大きく抜けることができず、その 後は102円を割と比較的軽く下抜けた」とし、101円50銭を割り込むと、 「今度は101円ちょうどが意識されていく」としている。

--取材協力:大塚美佳.

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