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ソフトバンク:営業益は上方修正の可能性も-今期予想は維持

米携帯通信3位スプリントを傘下に 持つソフトバンクは決算発表で、今期(2015年3月期)営業利益の予想 を据え置いたが、今後は買収企業が想定以上に貢献するなどで上方修正 する可能性があるとした。

決算資料によると、今期の営業利益予想は1兆円。前期実績1 兆854億円にはウィルコム子会社化などに伴う資本持ち分の再測定によ る利益2539億円を含むが、今期予想はこうした一時的利益を含んでいな い。ブルームバーグが集計したアナリスト14人の予想平均1兆949億円 は下回る。売上高予想は携帯端末の卸売事業者の米ブライトスター買 収、子会社化を主因に、従来の7兆円から8兆円へ引き上げた。

孫正義社長は決算会見で営業利益予想について、ブライトスターの 貢献は小さいとの見込みにとどめており、今後は上方修正する可能性が あると指摘した。また、他社の料金プランに対抗していくが、過度にな らないよう対応していきたいと話した。

SMBC日興証券の菊池悟アナリストは、子会社が成長してグルー プとしても成長しているとみているほか、スプリントは利益面の改善に つながるだろうと話した。エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、 ソフトバンクがNTTドコモの新料金プランに追随するかが注目ポイン トと指摘し、追随すれば利益圧迫要因になるとコメントした。

ソフトバンクは国内市場縮小を見据えて海外進出を積極化させてお り、昨年の米スプリント買収に続き、現在は米携帯通信4位Tモバイル USの買収を目指している。一方、国内市場はNTTドコモが米アップ ルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売を開始し たことで競争が激化した。

国内携帯電話会社で首位

ソフトバンクはまた、前期決算で売上高、営業利益、純利益ともド コモを超えて国内携帯電話会社で首位となった。

ソフトバンクは昨年、約1兆8500億円を投じ、スプリント株80%を 取得。このほかブライトスターやコンテンツ分野のけん引役と位置付け るフィンランドのモバイルゲーム会社スーパーセルの買収を終えた。

国内の携帯通信事業では、ドコモがアイフォーンを導入し、大手3 社の端末ラインアップの差はほぼなくなった。ドコモが昨年12月、ソフ トバンクから2年ぶりに首位を奪還して以降、純増数の順位は頻繁に入 れ替わるようになっており、ソフトバンクが純増数で他を引き離す構図 は変化した。

国内で通信業上位3社による契約者の争奪戦が激化する中、ドコモ は一定の条件を満たせば国内通話料が定額料金の範囲内となる新料金プ ランを4月10日に発表した。孫社長は対抗策として新しいソフトバンク の料金プランを早ければ1-2カ月以内に発表する可能性があると会見 で述べた。

「ラッキーだった」

一方、ソフトバンクが約37%の株を保有する中国最大の電子商取引 運営会社アリババ・グループ・ホールディングは、米国市場で新規株式 公開(IPO)手続きを開始した。孫社長は、保有株を売ることは考え ていないと述べた。アリババとの出会いは「ラッキーだった」と述べ、 今までの投資の中では「ナンバーワン」と指摘。また、「インターネッ トを制するもの、中国を制するものが世界を制する」とコメントした。

ソフトバンク株は7日終値で、前営業日比5.1%安の7420円。年初 来では19%の下落となっている。楽天証券経済研究所チーフ・ストラテ ジストの窪田真之氏は「ソフトバンクの株は業績よりも現在アリババで 動いている」とし、「孫社長はアリババを使っての世界戦略に強い自信 を示しているので、大きく下がったところではまた買われるだろう」と コメントした。

--取材協力:宮沢祐介.

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