【コラム】ヤンキース田中に新人王資格あるか-デービッドソン

米大リーグ(MLB)の2014年シー ズンが始まってから1カ月余りが経過した。ニューヨーク・ヤンキース の田中将大投手とシカゴ・ホワイトソックスのホセ・アブレイユ一塁手 が現時点でア・リーグ年間新人王の最有力候補であることは衆目の一致 するところだが、スポーツ担当記者や元選手からはまたしても外国人選 手の新人王資格の見直しを求める声が上がっている。

ESPNのジム・ボーデン氏フォックス・スポーツのゲーブ・キ ャプラー氏は前週末、田中やアブレイユのように外国の国内野球リーグ でプレーした選手を年間新人王の選考対象から外すべきだと主張した。 両氏によれば、日本のプロ野球やキューバ国内リーグでの経験は米大リ ーグでの経験に近く、両国の野球リーグは組織や競争の面で米マイナー リーグのレベルを上回っている。

日本人選手としては野茂英雄、佐々木主浩、イチローらがこれまで 大リーグで新人王を受賞しているが、ESPNのジェーソン・スターク 氏らはここ10年以上、日本人候補に異議を唱えてきた。この問題は2003 年に松井秀喜外野手がヤンキースでデビューすると火が付いた。

松井はその年、打率2割8分7厘、本塁打16本、106打点の成績を 収め、新人王の最有力候補に躍り出た。ただ、松井は日本でプレーし た10年間でMVPを3回受賞し、渡米前年には50本塁打を打つなど、輝 かしい成績を残していた。そのため、イチローがその2年前に同じよう な経歴を持ちながらも新人王を受賞したにもかかわらず、松井はルーキ ーらしくないルーキーとしてやり玉に上げられ、受賞には至らなかっ た。

田中とアブレイユもすでに母国で十分に経験を積んだ上に、名声や 成功を獲得しており、この議論を再燃させるのにうってつけの候補とな っている。

一貫性のある評価

外国人選手が新人というには経験があり過ぎると言うなら、少なく とも評価を一貫させなければならない。田中は現在ヤンキースで4勝無 敗、51奪三振の成績を上げているが、シーズン前にはスカウトや記者か らは、日本で好成績を上げても大リーグで通用するかどうかについて疑 問の声が起きていた。

このような懐疑的な見方は、ボストン・レッドソックスが松坂大輔 投手の獲得で手ひどく失敗したことを考えると、あながち見当違いとも いえない。しかし、田中のピッチングが大リーグで通用するかを疑問視 していながら、今になって適応がうまくいったからといって、新人と見 なすには経験があり過ぎると決めつけるのは理不尽な話だ。

多くの外国リーグが米3Aを上回っていることには同意するが、日 本人選手が大リーグで活躍できるかどうかについて、日本でのプレーを 基に確実に判断することはできない。イチローや松井秀喜や田中の成功 の裏には、松坂や伊良部秀輝、松井稼頭央のような例もあるということ をわれわれは忘れている(ヤンキースは今でも伊良部や井川慶の亡霊に 取りつかれている)。

大リーグと日本のプロ野球やキューバ国内リーグが同じレベルにな ったら対策を考えるべきだとするキャプラー氏の意見は正しいが、まだ その段階には達していない。当面は田中とアブレイユの新人王争いを楽 しもう。この2人のどちらかがシーズン終了時に新人王を獲得するのは 間違いなさそうだ。

(デービッドソン氏はブルームバーグ・ビューのスポーツ担当コラ ムニストです。同氏のツイッターは@kavithadavidson。コラムの内容は 同氏自身の見解です)

原題:Is Yankees’ Tanaka Too Good to Be a Rookie?: Kavitha A. Davidson(抜粋)

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