5月5日の海外株式・債券・為替・商品市場-英国は休場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が上昇、中国の製造業指標や日銀総裁の発言で

ニューヨーク外国為替市場では、円が主要16通貨の大半に対して値 上がり。中国の民間指標で4月の製造業活動が市場の予想以上に縮小し たことが示され、安全資産の需要が高まった。

円は対ドルでは2週間ぶり高値を付けた。ウクライナでの混乱拡大 が材料視された。また日本銀行の黒田東彦総裁が米経済専門局CNBC とのインタビューで、景気回復は軌道に乗っていると述べたことで、追 加緩和を実施するとの観測が後退した。ブラジル・レアルは主要通貨中 で最大の値下がり。ブラジル中央銀行が為替スワップ契約のロールオー バー(更新)の規模を縮小させたことで、レアル支援の弱まりが示唆さ れた。スウェーデン・クローナも下落。3月の鉱工業生産指数が予想外 に低下したことが嫌気された。

みずほフィナンシャルグループの米為替セールス責任者、ファビア ン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)は「リスクオフのトーンが若干 見られ、それに沿う形で円は動いた」とし、「中国の製造業購買担当者 指数(PMI)がやや期待外れだったほか、ウクライナで緊張が続いて いること」を背景に円は買い進まれたと指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、円はドルに対し前週末比0.1%上 昇の1ドル=102円14銭。一時101円87銭と、4月17日以来の高値を付け た。対ユーロでも0.1%上げて1ユーロ=141円72銭。ユーロは対ドルで ほぼ変わらずの1ユーロ=1.3875ドル。

レアル、クローナ

レアルは1%安の1ドル=2.2442レアル。主要16通貨で値下がり率 は最大だった。

スウェーデン統計局の発表によると3月の鉱工業生産指数は前月 比3.8%低下。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 の中央値は0.5%上昇だった。前月は2%上昇に修正された。

クローナは対ユーロで0.7%安の1ユーロ=9.0934クローナ。対ド ルでは0.7%下げて1ドル=6.5532クローナ。

欧州中央銀行(ECB)は早ければ今週開催の政策決定会合で行動 を起こす可能性がある。ECBはデフレリスクの回避を目指し、マイナ ス金利や量的緩和導入を含めた前例のない措置の実施を検討している。

ユーロはドルに対し年初来で1%上昇。今月に入ってからは0.7% 上げている。

英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが5日 発表した4月の中国製造業購買担当者指数(PMI)改定値は48.1。3 月は48.0、速報値は48.3だった。ブルームバーグがまとめたアナリスト の予想中央値は48.4。PMIは50が活動拡大・縮小の分かれ目。

円の動き

ノルデア銀行のチーフ為替ストラテジスト、ニールス・クリステン セン氏は「若干リスク回避の地合い」となっており、円を支えていると 分析。「中国の指標は軟調で、リスク選好にはネガティブだ」と続け た。

日銀の黒田総裁はCNBCとの4日のインタビューで、民間のエコ ノミストは日本に関して「一貫して間違ってきた」と指摘。「われわれ は名目賃金が上昇を続け、雇用情勢も改善されると予想している」と述 べた。ウエストパック銀行は「ドル買い・円売り」の推奨を取りやめ た。黒田総裁が追加の量的緩和が差し迫ってはいないことを示唆したこ とがその根拠。

ウエストパック銀行の外為・商品戦略責任者のロバート・レニー氏 (シドニー在勤)は5日付の調査リポートで、「黒田総裁は現在、近い 将来の追加緩和の可能性をめぐる発言でトーンを弱めている」と指摘。 「ドル・円でのドルロングを支持する根拠は非常に薄くなりつつある」 と続けた。

原題:Yen Rises After China Data as Kuroda Sees Recovery; Real Drops(抜粋)

◎米国株:小幅高、非製造業の業況改善を好感-銀行株安い

米株式相場は小じっかり。中国の景気減速とウクライナ緊迫が懸念 されたものの、米非製造業の業況改善が好感され、買いが優勢となっ た。

アップルは1.4%上昇し、2012年以来初の600ドル台引け。バイオ株 が上昇を再開し、バイオジェン・アイデックやギリアド・サイエンシズ が高い。JPモルガン・チェースはトレーディング収益がさらに悪化し たとの見方を示したことから売られ、金融株全体が下げた。医薬品のフ ァイザーも安い。同社の四半期決算では売上高が予想を下回った。

S&P500種株価指数は前週末比0.2%上昇し1884.66。一時は0.8% 安まで下げていた。ダウ工業株30種平均は17.66ドル(0.1%)高 の16530.55ドル。ナスダック総合指数は0.3%上昇。

JPモルガン・アセット・マネジメント(ロサンゼルス)のグロー バルマーケットストラテジスト、ジョゼフ・タニアス氏は「値動きの定 まらない展開が続いている」と指摘。「方向性の見られない今の市場は 自分を見失っている状態に近いかもしれない。市場には強弱の材料が混 在している」と続けた。

米供給管理協会(ISM)が発表した4月の非製造業総合景況指数 を受けて、米国株は下げを埋めた。同指数は55.2と、前月の53.1から上 昇。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は54だった。 同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。

ウクライナ、中国製造業

ウクライナ東部では軍が親ロシア派武装勢力の排除に動く中、衝突 は東部から黒海の玄関口である南部オデッサにも広がった。現地の情報 サイトによると、クラマトルスクの交戦では7人が死亡した。

中国の民間指標では4月の製造業の活動が4カ月連続で縮小したこ とが示された。英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミ クスが5日発表した4月の中国製造業購買担当者指数(PMI)改定値 は48.1。3月は48.0、速報値は48.3だった。ブルームバーグがまとめた アナリストの予想中央値は48.4。PMIは50が活動拡大・縮小の分かれ 目。

ハンティントン・ファンズ(シンシナティ)のシニアポートフォリ オ運用担当者、ピーター・ソレンティーノ氏は「こうした地政学的問題 への懸念が広がっている」と指摘。「マーケット全体ではなくセクター レベルで静かな調整が進むような過渡期に入るというのが、当社の見方 だ。しかしそうならない場合、今の伸び悩みを考えると市場は明らかに 現時点で崩れやすい状況にあり、調整を迎えることは容易に想像でき る」と述べた。

アップル、JPモルガン

アップルは1.4%高の600.96ドル。iPhone(アイフォーン) 販売の急増と自社株買いプログラムの300億ドル拡大を発表した4月23 日からは15%の値上がり。

S&P500種採用銘柄の上昇率10位のうち、4銘柄がバイオジェ ン、ギリアドなどのバイオ株だった。ナスダック・バイオテクノロジー 指数は1.8%上昇。

S&P500種の金融は0.4%下落。JPモルガンは2.5%の値下が り。同社は2日の引け後に当局に届け出た四半期報告で、4-6月の債 券・株式のトレーディング事業について、前年同期比約20%の減収を予 想。「厳しい環境が続き、顧客の活動は低迷している」と説明した。

ゴールドマン・サックス・グループは1.6%、モルガン・スタンレ ーは2%それぞれ下げた。

ファイザーは2.6%安。1-3月期決算では「リピトール」や「バイ アグラ」の需要低下が響き、売上高がアナリスト予想を下回った。

原題:U.S. Stocks Advance as Services Data Offset Declines Among Banks(抜粋)

◎米国債:5日ぶり下落、ISM非製造業景況指数の上昇で

米国債相場は下落。10年債利回りは6カ月ぶり低水準から上昇し た。米供給管理協会(ISM)非製造業総合景況指数が昨年8月以来の 高水準となったことを背景に、経済成長の勢いが増しているとの見方が 強まった。

10年債は5営業日ぶりの下落となった。米財務省は6日から総 額690億ドル相当の入札を実施する。先週は経済指標が強弱まちまちと なったほか、ウクライナとロシアの緊張が高まる中、米国債は上昇して いた。この日は朝方に一時上げ幅を拡大。4月の中国製造業購買担当者 指数(PMI)改定値は予想以上の活動縮小を示した。

BNYメロン・キャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責 任者、ダン・マルホランド氏は「ISM非製造業景況指数は予想よりも 強く、利回りを押し上げた」と指摘。「今週は供給もある」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前週末比2ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)上昇の2.61%。一時は2.57%に低下し、昨年11月1日以 来の低水準となった2月3日の水準に並んだ。同年債(表面利 率2.75%、2024年2月償還)価格は6/32下げて101 7/32。

10年債利回りは過去3カ月にわたり2.57-2.82%のレンジ内で推移 している。

30年債利回りはこの日、4bp上昇の3.41%。5年債利回りは2b p上昇して1.68%。

30年債と5年債の利回り差は拡大

米国債は上げを消す展開だった。4月のISM非製造業総合景況指 数は55.2と、前月の53.1から上昇。昨年8月(57.9)以来の高水準とな った。ブルームバーグがまとめた4月のエコノミスト予想中央値は54だ った。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。

5年債と30年債の利回り格差は1.73ポイント。2日には1.68ポイン トと、2009年以来の最小となっていた。

先週発表された今年1-3月(第1四半期)の米実質国内総生産 (GDP)速報値は2012年10-12月(第4四半期)以来の小幅な成長に とどまったほか、新規失業保険申請件数は9週間ぶりの高水準に増加し た。一方、4月の雇用統計によると非農業部門雇用者数は2012年1月以 降で最大の伸びとなった。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は4月29、30両日に開いた会合 で月額の債券購入を再度縮小した。イエレン米連邦準備制度理事会 (FRB)議長は7日に議会で証言する。

入札

財務省は6日に3年債を290億ドル、7日に10年債を240億ドル、8 日は30年債を160億ドルそれぞれ発行する。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「今週は供給も大量にあり、こう した入札を理由に相場は圧迫されている」と述べた。

原題:Treasuries Fall First Time in Five Days as Services Gauge Climbs(抜粋)

◎NY金:続伸、3週間ぶり高値-ウクライナ混乱で逃避需要

ニューヨーク金先物相場は続伸し、ほぼ3週間ぶりの高値となっ た。ウクライナと親ロシア派勢力の間で緊張が高まっていることを背景 に、逃避目的の金買いが膨らんだ。ウクライナ国防省のウェブサイトで の発表によると、スラビャンスクでの分離派武装勢力との衝突で兵士4 人が死亡、30人が負傷した。

TDセキュリティーズのグローバル金属セールス責任者、スティー ブ・スカカロシ氏はリポートで「ウクライナの秩序不安を受けて、25日 の選挙の信頼性や地域の安定について誰もが神経質になっている」と指 摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前週末比0.5%高の1オンス=1309.30ドルで終了。一時 は1315.80ドルと、中心限月としては4月15日以来の高値をつけた。

原題:Gold Rises to Three-Week High on Haven Demand Amid Ukraine Havoc(抜粋)

◎NY原油:反落、中国製造業統計に失望-ブレントも下落

ニューヨーク原油相場は反落。中国の製造業活動が4カ月連続で縮 小したことを受け、景気減速が深刻化しているとの懸念が広がった。東 ウクライナで政府と親ロシア派との衝突が激化し、南部のオデッサにも 騒乱が広がったため、原油先物は上昇する場面もあった。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マ サチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は「予想 より悪い中国の経済統計がブレントを押し下げている」と指摘。「ウェ スト・テキサス・インターミディエート(WTI)もつれ安したが、ブ レントほどは下げていない」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前週 末比28セント(0.28%)安の1バレル=99.48ドルで終了。ロンドン ICEのブレント6月限は87セント安の107.72ドル。

原題:Oil Falls on Chinese Manufacturing; Brent Premium to WTI Narrows(抜粋)

◎欧州株:続落、ウクライナ緊迫と中国PMIで-英国は休場

欧州株式相場は続落。ウクライナ東部での衝突激化が懸念されたほ か、中国の製造業活動が4カ月連続で縮小したことから売りが優勢とな った。

銀行のクレディ・スイス・グループは2.3%下落。米銀JPモルガ ン・チェースが明らかにした4-6月期のトレーディング収入減少予測 が響いた。ドイツのATM(現金自動預払機)メーカー、ウィンコー ル・ニックスドルフは予想より悪かった決算を嫌気されて5.1%の値下 がり。

ストックス欧州600指数は前営業日比0.3%下げて336.89。一時 は0.9%安まで下げた。英国市場は祝日で休場。

ロベスコSAM(チューリヒ)のポートフォリオマネジャー、カ イ・ファシンガー氏は「ウクライナ情勢がさらに緊迫化し、投資家のリ スク敬遠に追い打ちをかけている」と指摘。「中国PMI統計は第2四 半期も成長の悪化が進む可能性を示しており、欧州市場はこうしたネガ ティブな見方に影響された」と続けた。

西欧市場ではこの日開いている16市場のうち、13市場で主要株価指 数が下落。仏CAC40指数は0.1%上昇した一方、独DAX指数は0.3% 下げた。

原題:European Stocks Drop on Ukraine Violence, Chinese Manufacturing(抜粋)

◎欧州債:ポルトガル債は過去最低利回り付近-救済脱却期待で

5日の欧州債市場ではポルトガル債が上昇。5年物利回りが過去最 低付近となった。予防的な融資枠を確保しなくても救済プログラムを脱 却することは可能だとするコエリョ首相発言を好感した。

ドイツ10年債利回りはほぼ1年ぶり低水準を付けた後、前週末から ほぼ変わらず。ポルトガルの救済脱却は昨年12月のアイルランドと今年 1月のスペインに続いて3番目。これで、国際社会による救済に依存し ているのはギリシャとキプロスのみとなる。

INGグループの債券ストラテジスト、アレッサンドロ・ジアンサ ンティ氏は「ポルトガル債には妙味があると引き続き考えている」と述 べた。「ポルトガルの財政健全化の実績は優良」だと指摘した上で、 「予防的な与信枠を求めなかったことは意外だった」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時40分現在、ポルトガル5年債の利回りは前週 末比3ベーシス・ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.46%。4 月22日には終値ベースでブルームバーグがデータを取り始めた1997年以 来で最低の2.44%を付けていた。表面利率4.75%、2019年6月償還債の 価格は0.12上昇の110.86。10年債利回りは2bp低下し3.61%。

ドイツ10年債利回りはほぼ変わらずの1.46%。一時は昨年5月27日 以来の低水準の1.44%となった。

原題:Portuguese Five-Year Yields Approach Record Low on Exit Optimism(抜粋)

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