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米国債:30年債利回り10カ月ぶり低水準-ウクライナ情勢で

米国債市場では30年債が上昇。利回 りは10カ月ぶり水準に下げた。4月の雇用統計では雇用者数の伸びが予 想を上回ったが、市場ではウクライナでの緊張の高まりが材料視され、 逃避需要から米国債は買い進まれた。

4月の雇用統計では雇用者数の伸びが2012年以来で最大となっ た。30年債利回りは統計発表直後に上昇し、その後は10ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)超の幅で変動した。期間が短めの国債は軟 調な展開が続いた。経済が力強さを増していることで、金融当局が過去 最低水準にある政策金利を引き上げるとの見方が広がった。5年債と30 年債の利回り格差は09年以降で最小となった。市場関係者は来年の利上 げ時期の予想を前倒ししている。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「ウクライナでまた緊張 が高まっているとの懸念がある」とし、「ウクライナ軍が東部の都市に 入り、オフィスビルに突入した。こうした状況は確実に米国債相場を押 し上げる」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時1分現在、30年債利回りは前日比5bp低下の3.37%。同年債 (表面利率3.625%、2044年2月償還)価格は7/8上げて104 26/32。利 回りは一時5bp上げたほか、昨年6月19日以来の低水準を付ける場面 もあった。

10年債

10年債利回りは3bp低下の2.59%。一時8bp上げた。5年債 と30年債の利回り格差は1.70ポイントに縮小。一時1.68ポイントと、09 年9月30日以来で最小となった。

米商品先物取引委員会(CFTC)の週間建玉報告によると、ヘッ ジファンドなど大口投機家による10年債先物の持ち高は4月29日終了週 にショート(売り持ち)がロング(買い持ち)を11万4425枚上回った。 ネットショートは前週の14万5865枚から22%減った。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の米国債ストラテジー責任者、デービッド・エーダー氏は30年債の上昇 について、雇用統計を受けて利回りが一時3.47%にまで上昇した後、年 金基金が買い増したことが背景にあると説明した。

ウクライナ情勢、雇用統計

ウクライナは2日、分離派武装勢力の拠点となっている同国東部の 都市スラビャンスクを奪回するため装甲車と砲兵隊を派遣した。オバマ 米大統領とドイツのメルケル首相は、ロシアに対し追加制裁を実施する 準備があると警告した。国連はこの日、ロシアの要請に応じ臨時会合を 開催する予定。

4月の米雇用統計では、家計調査に基づく失業率が6.3%と、08年 9月以来の水準に低下した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は30日 発表した声明で、経済活動がこのところ上向いてきたと指摘した。

非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比28 万8000人増加。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 の中央値は21万8000人増だった。前月は20万3000人増に修正(速報19 万2000人増)された。

雇用統計の裏面

RBSセキュリティーズの米国債戦略責任者ウィリアム・オドネル 氏は、平均時給の伸び悩みおよび労働参加率の低下が、米国債利回りの 上昇を抑えた「理由の1つであることは明白だ」と指摘。「今回の雇用 統計が単なる冬の悪天候後の反動による一時的な改善なのか、もっと大 きな情勢改善の始まりなのかさらに明確になるまで、レンジ内での推移 にとどまる可能性が高い」と続けた。

原題:Treasury Bonds Rise as Yields Fall to 10-Month Low on Ukraine(抜粋)

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