不動産投機家に翻弄されるマイアミ-貧困層生活費1日1100円

10数人の顧客を乗せた豪華バスが建 設現場を通り過ぎる。米マイアミの不動産コンサルタント、ピーター・ ザレウスキー氏はこの地域にある高層ビル50カ所の名前をすらすらと口 にした。これらの高層ビルはベネズエラや香港、アルゼンチンからの投 資資金で建設されている。

建設現場から数ブロック離れた場所では、住民の生活費は1日11ド ル(約1100円)だ。1920年代から不動産投機家に翻弄(ほんろう)され てきたマイアミが、新たな不動産ブームに沸いている。最近の資本流入 により、マイアミでは所得格差が拡大している。同市の富の分配の現状 は最も工業化の進んだ米国よりもむしろ途上国に類似している。

「マイアミは中南米への入り口ではないが、経済面から見た人口動 態は中南米と同じだ」。ホームレスと保険に未加入の患者らを25年間に わたって診察し、市民に贈られる最高位の勲章である大統領自由勲章 を2009年に受章したペドロ・グリーア医師はそう語る。「われわれが診 察している家庭の7割は年収が2万5000ドルに満たない」。

所得分配の不平等を測る指標であるジニ係数では、マイアミは米国 の都市のうちアトランタとニューオーリンズに次ぎ3位。ブエノスアイ レスやリオデジャネイロを上回り、メキシコ市と同水準だ。ファストフ ード店の従業員のより高い賃金の職種への移行に関するブルームバーグ の分析によれば、マイアミの低所得労働者は、賃金のより高い職種への 移行が米国の都市で最も困難となっている。

一方で、英コンサルティング会社ナイト・フランクの14年のリポー トによれば、富裕層投資家にとって重要性の高い都市のランキングでマ イアミはドバイやパリ、北京を抜き7位に入っている。

原題:Miami’s Poor Live on $11 a Day as Boom Widens Wealth Gap: Cities(抜粋)

--取材協力:Bill Faries、Wei Lu.

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