【日本株週間展望】堅調、過度な業績警戒和らぐ-トヨタ注視

5月2週(7-9日)の日本株相場 は、取引日が3日間と少ない中、堅調な展開が予想される。米国経済の 改善基調に加え、国内では企業業績に対する過度な警戒が和らぐことか ら、好業績銘柄を中心に見直しの買いが優勢となりそう。トヨタ自動車 の決算動向が注視される。

ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは、 「米景気は腰折れせず、3月から元の成長軌道に戻りつつあることは為 替の円安要因を通じて日本株にプラスに働く」と見る。日本企業の今期 業績計画も、「消費税増税の反動でかなり慎重になるかと予想していた が、景気の実勢の良さを素直に反映して健闘している」と言う。

第1週の日経平均株価は前の週に比べ0.2%(28円)高の1万4457 円51銭と小幅に反発。不動産や銀行、通信、医薬品など内需関連株が相 対的に堅調だった。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は4月29-30日に開いた定例会 合後の声明で、景気が冬季の低迷から持ち直しているとし、資産購入の ペースを引き続き弱める方針を表明した。経済成長について「このとこ ろ上向いてきた」と判断、家計支出については「伸びが加速しているよ うに見受けられる」と言及した。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのエコノミストであるマイ ケル・ハンソン氏は、今のところFOMCは弱い1-3月のデータを天 候によるゆがみと見ており、経済活動がこのところ上向いてきたと一段 と自信を持って言及している、と指摘した。ことし1-3月の米実質国 内総生産(GDP、年率)は前期比0.1%増と、ほとんど伸びが見られ なかった。昨年10-12月は2.6%増だった。

米国では5日に4月の供給管理協会(ISM)の非製造業景況指数 の発表がある。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想は54.1と、 3月の53.1からの改善を見込む。1日に発表された4月のISM製造業 総合景況指数は54.9と、前月の53.7から上昇した。

日銀短観の予想ほど悪化せず

米経済の状況が日本株にプラスとなる中、国内では決算発表がピー クを迎えつつある。東京証券取引所の集計によると、3月期決算企業の 発表は週ベースで第3週が1159社と最多、日々ベースでは第2週の9日 が438社と最も多い。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘 シニア投資ストラテジストは、序盤の決算発表は「アナリスト予想に対 し慎重な数字が多く、警戒感が強かった」としつつ、4月30日に決算発 表した富士通や日東電工、村田製作所の株価が翌日に大幅高となり、 「それほど悪くないという買い安心感につながっている」と言う。

日本銀行の3月の企業短期経済観測調査(短観)では、大企業全産 業の2014年度計画は売上高が前期比1.1%増、経常利益は2.3%減だっ た。しかし鮎貝氏は、4月30日までの状況では営業利益段階で5%程度 の増益予想になっているとし、「短観予想の減益にはならないのではな いかとの見方が固まりつつある」と話した。

第2週は7日にソフトバンクや任天堂、三井物産、大日本スクリー ン製造、8日はトヨタ、東芝、ダイキン工業、三菱地所、ヤマダ電機、 9日は住友金属鉱山、三菱重工業、富士重工業、オリンパスなどが発表 予定。特に関連企業の裾野が広く、上場企業全体の業績数字に与える影 響が大きいトヨタの動向は注目される。

ブルームバーグが集計したアナリスト26人の予想平均値によると、 トヨタの14年3月期の連結営業利益は前の期に比べ81%増の2兆3881億 円(会社計画2兆4000億円)、15年3月期は前期推定比10%増の2 兆6365億円の見込み。会社側が期初段階で15年3月期予想を増益、減益 のいずれで開示するかが、その後の市場全般の投資マインドを左右する 可能性がある。

国内景気の不透明感は重し

もっとも、国内景気の動向を見極めたいとのムードは根強く残り、 一本調子で上値を追う展開にもなりにくそうだ。1日に発表された消費 税増税後の4月の国内新車販売台数は、前年同月比で5.5%減と8カ月 ぶりにマイナスとなった。みずほ証券では、3月末までに登録・納車が 完了しなかった受注残が押し上げているとし、反動減の影響が本格的に 表れてくるのは5月以降と予想している。

「消費税増税の影響が読み切れない。1989年、97年当時のようにな るかというとそうではなく、気迷いの状況からなかなか脱しきれない」 と、三井住友アセットマネジメントの浜崎優シニア・ストラテジストは 指摘。景気と企業業績に対する不透明感から、当面の日経平均は「1 万4000-1万5000円の間でもみ合う相場がしばらく続く」との見方だ。

このほか、中国で8日に4月の貿易収支、9日に消費者物価指数 (CPI)の発表がある。エコノミストの予想は、輸出が前年同月 比3.5%減、輸入は2.3%減、CPIは2.1%上昇となっている。欧州で は8日に欧州中央銀行(ECB)の理事会があり、国内では9日に株価 指数オプション5月限の特別清算値(SQ)が算出される。

--取材協力:竹生悠子.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE