ソニー:株が一時6カ月ぶり下落率、前期純損益1300億円赤字

経営再建中のソニーは1日、前期 (2014年3月期)の連結純損益が1300億円の赤字と、前回の予想(1100 億円の赤字)から悪化する見通しだと発表した。パソコン事業からの撤 退で追加費用を計上したことなどが収益を圧迫した。株価は2日の取引 で一時6カ月ぶりの下落率となった。

ソニー株は一時4.5%安となり、昨年11月1日以来の日中下落率と なった。午前10時11分現在、1.1%安の1790円で取引されている。

会社の1日付の発表資料によると、パソコン事業を投資ファンドの 日本産業パートナーズに売却すると2月に発表して以降、PC販売が想 定を下回ったことや、構造改革の一部前倒しなどで約300億円の費用を 追加計上。また、主に海外でのディスク製造事業に関連して約250億円 の減損が見込まれるとしている。その結果、営業利益は260億円へと前 回予想より68%下方修正された。ソニーは14日に決算を発表する。

ソニーは、年末商戦で主要家電製品の販売がゲーム機以外全て当初 の想定を下回る結果に終わった。家電事業の立て直しを目指す平井一夫 社長は2月にパソコン「バイオ」事業の売却と5000人規模の人員削減な どを盛り込んだ構造改革を発表したが、新たな業績下方修正に追い込ま れた。前期の純損益見通しが下方修正されるのは今回で3度目。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「まだリスト ラが不十分だ」とした上で、「象徴的なリストラが必要。テレビ売却を 打ち出さなければ、市場はソニーが本気だとは思わない」と述べた。

4Kテレビ

ソニーは2月に業績予想を下方修正した際、テレビ事業について、 解像度が高い4Kテレビを強化するなどし、付加価値の高い商品の販売 構成比を高めるなどの方策を打ち出していた。同社はテレビ事業を7月 をめどに分社化し、今年度の黒字化を目指している。

ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真最高経営責任者は 「ソニーはいつも見通しが甘い」と批判、今月に発表される今期予想に ついて「明らかに甘い場合は『いい加減にしろ』、という反応になる」 と述べた。

一方で、市場には好意的な見方もある。メリルリンチ日本証券の片 山栄一アナリストは1日付のリポートで、今回の下方修正の性質は会計 上の処理であり、会社のオペレーションを反映したものではないとし て、構造改革費用の早期計上は非常にポジティブだと捉えている。

ソニー広報担当の倉田幸治氏によると、減損を見込むCD-ROM などを生産するディスク製造事業では、現在11の製造拠点を抱え、その うち9つが北米、アジア、欧州などにある。

またパソコン事業については、3月に売却に向けて正式契約を結ぶ 予定だったが、売却の時期について倉田氏は「日本産業パートナーズと 7月をめどに協議を続けている」と述べた。

エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、平井社長の経営につい て「ビジョンが分からないところが問題」だとの懸念を示した。

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