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米検察に銀行業界が警告-刑事責任追及なら巻き添え被害か

米検察当局は国際的な銀行に対し金 融危機後初めてとなる刑事責任を追及する構えだが、その代償として抑 制不能の巻き添え被害が広がることになるとの激しい警告に直面してい る。

金融危機の責任を担うべき金融機関に巨額の和解金を負わせるだけ では、ウォール街を罰することにはほとんどなっていないと米議員らは 批判している。検察当局はこうした声に対応するため、クレディ・スイ ス・グループとBNPパリバに対する捜査を進め、起訴に持ち込むこと を検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

こくした状況の推移を注視している金融業界の法律専門家やバンカ ーらが指摘しているのは、検察側が起訴処分による影響を最小限に抑え るやり方、例えば銀行免許を剥奪しないとった措置を金融監督当局と協 議したとしても、市場にもたらすかもしれない事態を十分理解していな い可能性があるということだ。

法律専門家やバンカーらは公の場で話す権限がないとして匿名を条 件に語ったところによれば、年金基金などの銀行顧客は犯罪に関与した と名指しされた金融機関との関係を縮小せざるを得なくなる可能性があ る。起訴に絡んだ企業との巨額取引をする前に、取引相手は再考を迫ら れるかもしれないという。

2008年のリーマン・ブラザーズ破綻時に投資家が損失の波及を恐 れ、同行以外の金融機関からも資金を引き揚げたように、銀行1行のビ ジネスに対するダメージが金融業界全体に広がる可能性もある。

法律事務所シュワルツ・アンド・バレンのパートナーで米連邦準備 制度で法律を担当した経歴もあるギルバート・シュワルツ氏は、検察が 刑事事件として扱うのであれば、銀行免許見直しが顧客を動揺させたり することのないように対応する必要があるだろうと説明。「取り調べと いったちょっとした脅しがその金融機関に対する顧客の信認を奪い、取 り付け騒ぎにつながる恐れもある」と話した。

核の冬

検察当局はこれら金融機関が大き過ぎ、かつシステム上重要過ぎる から起訴できないということはないということを証明しようとしてい る。これらの警鐘は検察当局への抵抗の大きさを示すものだ。ニューヨ ーク・マンハッタン連邦地検のプリート・バララ検事正は3月、悪影響 を懸念する業界の声にもかかわらず大手金融機関の起訴が近いことを示 唆した。同検事正はその際「われわれが刑事処分に踏み切れば、空は暗 転して海は荒れ、そして核の冬に見舞われて、世界の終わりとなるとの 熱のこもった訴えを聞かされた」と述べていた。

クレディ・スイスは11年以降、米国人顧客の脱税をほう助したかど うかをめぐり刑事捜査の対象となっている。BNPパリバは特定の国と の取引を禁じる米国の制裁措置に違反した容疑で調べられている。両行 の広報担当者はいずれもコメントを控えた。

原題:Prosecutors Seeking to Charge Big Banks Face ‘Nuclear’ Warnings(抜粋)

--取材協力:Liz Capo McCormick、Hugh Son、Cheyenne Hopkins、Zachary Tracer、Tom Schoenberg.

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