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ウォール街注目のヘッジファンド運用者、海の男は架空の人物

ロバート・フェアチャイルド氏は 今、ウォール街で最も注目されている人物の1人だ。実は同氏は架空の 人物。2011年に出版された小説「The Shipping Man」の主人公で、ニュ ーヨーク在住のヘッジファンド運用者という設定。海上運賃の大きな変 動に魅了され、ばら積み貨物船を購入。大海原へと冒険の旅に出てソマ リアの海賊やギリシャの海運王とのもめ事に巻き込まれる。

ここ数カ月、この小説があらゆる場所で引用されるようになった。 ヘッジファンドの顧客向け書簡や資産家ウィルバー・ロス氏の講演、ト レーダーの電話会議、投資銀行の調査リポート、ロンドンやハンブル ク、ニューヨークの大学の講義要綱でも取り上げられている。

海運業界はなお、大恐慌以降で最悪の世界的リセッション(景気後 退)からの回復途上にある。同業界への関心が急速に高まる中、投資家 らはこの小説をむさぼるように読んでいる。

小説の執筆者であるマシュー・マクリーリー氏が社長を務めるニュ ースレター「マリン・マネー」によれば、プライベートエクイティ (PE、未公開株)投資会社は昨年、海運業界に総額72億ドル(約7400 億円)以上を投資した。ほぼゼロ金利が5年続き、投資資金がだぶつく 中、PE投資会社による提携や新造船の発注、船舶債権の購入は08年以 降で最大の伸びを示している。

海運関連債権を含め136億ドル相当を運用するアベニュー・キャピ タル・グループの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のマーク・ラ スリー氏は4月24日の電話インタビューで、「供給過剰となっているた め、今は船舶債権を購入する好機だ。海運市況は底を打ちつつある」と 指摘する。

ファンドは世界的リセッション前に船主企業が多数の船舶を発注し たため、歴史的低水準に下落していた船舶価格が回復すると予想してい る。海運業界全体の指標となるクラークシー指数は過去1年間に6.7% 上昇し1日当たり9664ドル。12年の平均は同9586ドルと、少なくと も1990年以来の低水準だった。

原題:Life Imitates Art as Wall Street Bets on Shipping Debt: Freight(抜粋)

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